コロナ禍での新たな働き方として、大分県姫島村では「バンケーション」が注目されている。バンケーションのバンは車のバンのことで、仕事と観光を両立することが狙い。
最大の強みは「移動ができること」。果たして快適なのか、姫島村のバンケーション参加者に密着した。
景色も楽しめる開放的なオフィス
人口2000人にも満たない大分県の姫島村。瀬戸内海に浮かぶ島で、県内唯一の村だ。
その姫島村で実施される新しい働き方で、活用されるのがバンタイプの自動車。
この記事の画像(6枚)一見普通の軽トラックだが、荷台に最大の特徴がある。側面が開閉式となっていて、中にはソファーが。机を組み立てるとわずか1分程で簡易のオフィスが完成した。
この日は、東京などで働くIT企業の社員2人が、荷台の上のオフィスの中で海の景色を楽しみながら仕事をしていた。働きながら休暇を楽しむ「ワーケーション」と車での生活を意味する「バンライフ」を掛け合わせた、その名も「バンケーション」だ。
参加者:
自分が気に入ったスポットに停車して、そこですぐに仕事ができるところが大きな魅力。設備もバッテリーなどを用意してもらっていてとても快適
このバンケーションは、県と姫島村が連携してIT企業や人材の誘致を目指す「ITアイランド構想」の一環として実施されていて、今回、モニターとしての参加者を募った。
仕事の合間に姫島観光を満喫
取材した2人は、リモートで仕事をこなしながら2泊3日の日程で参加。バンケーションの強みは移動手段があることだ。仕事の合間に車を使って観光に向かう。
姫島村ならではの自然を楽しもうと、2人は村にある標高約270メートルの矢筈岳の登山に挑戦。展望台につき、天気にも恵まれ目の前に広がる大パノラマを満喫していた。
続いて、”移動できるオフィス”で向かったのは飲食店。昼食では姫島特産の車えびなどを使った料理を味わっていた。
また、村の盆踊りで知られるキツネのお面の絵付けなども体験。
参加者:
移動式のバンに乗ることで、旅の楽しみも含め色んな要素が組み合わさって、ただのワーケーションというよりもう少し大きな価値が付加されたものになる
バンケーションのモニターツアーは、県外のIT企業に勤める人を中心に9月末にかけてあわせて5回実施し、10月以降は県民などを対象にしたツアーも計画している。
参加者にアンケートをとり、この取り組みを検証していくということだ。
(テレビ大分)