私がお伝えしたいのは「トップクラスの理系国立大学の統合」です。

東京医科歯科大学と東京工業大学は統合に向けた協議を始め、実現すれば研究力が最高水準に指定されている大学同士の初めての統合となります。
10兆円規模の新たな大学ファンドの支援を視野に入れていますが、大学の名前が変わる可能性もあります。

ポイントはこちら、「世界最高レベルへ理系大学統合の行方は

8月9日、東京医科歯科大学と東京工業大学の2つの国立大学が、統合に向けた協議を開始することを発表しました。
実現すれば、研究力が国内最高水準だとして国が指定している「指定国立大学」同士の統合は初めてとなります。

統合に向けた協議を始めた背景には、国が設立した10兆円規模の「大学ファンド」があります。
この助成金を受けられるのは、「国際卓越研究大学」に認定される数校に限られ、国際的に優れた研究成果を出すことなどが条件とされています。
両大学はそれぞれの専門性である医療などの研究領域が組み合わさることでより、幅広い研究が行われ、研究力を高めたいという狙いがあります。

また、日本の大学は研究力の低下という課題に直面しています。
8月に公表された文部科学省の科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の調査結果では、他の論文に多く引用され、注目度のより高い論文を示す指標「Top1%補正論文数」で、中国がアメリカを抜いて初めて1位となりましたが、日本は10位でこれまでで過去最低でした。
両校の統合で、日本の大学の研究力の向上が飛躍的に伸び、世界最高レベルの研究成果を出せるのか期待されています。

その一方、統合の形態によっては新たな名前の大学が設立され、100年以上の歴史ある大学が消える可能性もあるということです。

関係者によりますと、早ければ2024年にも統合が実現する見通しです。