島根県松江市のフレンチトースト専門店が、新商品を開発し話題になっている。これまで廃棄されていたある食材を活用して、食品ロスの削減にもつなげる。

天然酵母・国産小麦にこだわった食パン

松江市のフレンチトースト専門店「せるくる」。フランス語で「丸」を意味する店の名の通り、看板商品は自家製のまあるいパンで作るフレンチトースト。

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ところが、新商品は丸くないという。

せるくる 尾添哲也さん:
これは食パンの耳で作っているんです

使われていたのは食パンの耳。7月3日から、食パン耳のフレンチトーストを販売している(2切れ入り128円)。

使っているのは、出雲市の「まるべりー工房」で作られた食パンの耳。この工房では30年ほど前から、障がい者の働く場を提供するためパンを製造している。

天然酵母や国産小麦など素材にこだわった食パンは、県内だけでなく関東や関西にもファンが多いという。

その製造過程でどうしても生まれてしまうのが、食パンの耳だ。

社会福祉法人 桑友・まるべりー工房 勝部智文さん:
まだ食べられるのに廃棄してしまうパンを使ってもらえるのは、本当にありがたいことです

工房では一部を子ども食堂に提供するなど有効活用を目指しているが、その多くはやむを得ず廃棄処分してきた。

「もったいない」から生まれた新商品

まるべりー工房の食パンのファンでよく購入していたという、せるくるの尾添さんも「もったいない」という思いが募った。食品ロスの削減につながればと、食パンの耳でフレンチトーストを作ってみることにした。

せるくる 尾添哲也さん:
耳なので柔らかくなるように、しっかり時間をかけて浸しています

食パン8種類のうち、押し麦、全粒粉、プレーン、玄米、黒ゴマ、レーズン、黒糖と、7種類でフレンチトーストができた。スティック状なので手軽に食べられる。

スティック状で食べやすい
スティック状で食べやすい

せるくる 尾添哲也さん:
原材料が高騰していますが、この商品についてはリーズナブルにみなさんに提供できるように設定しました

小麦粉など原材料の高騰が続き、せるくるでも1月に10円から30円の値上げを実施。こうした中、格安で手に入る食パンの耳の活用は価格面でも大きなメリットがある。

無駄をなくして、おいしく安く。丸くないフレンチトーストが、メーカーと消費者とを結ぶ“まあるい循環”を生み出している。

(TSKさんいん中央テレビ)