赤ちゃんとの外出で頼りになる「ベビーカー」だが、実は使い方を誤ると大きな事故につながる恐れがあることを知っているだろうか。
大切な赤ちゃんを守るために必要な"正しい使い方"を取材した。

破片が20mも飛び散る?「誤った使い方」で大けがの恐れ

ある動画に映る、1台のベビーカー。すると突然、タイヤが大きな音を立てて破裂した。

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小さなタイヤの破裂でも、飛び散る距離は20メートル以上にもなるという。万が一、目に刺さると失明する危険性もある。

破裂の原因はある"誤った使い方"だった。

一部のベビーカーで採用されている、自転車のようにタイヤに空気を入れるタイプのものは、地面からの振動が伝わりにくいため、乗り心地も操縦のしやすさも良いとされている。

しかしなぜ、タイヤが破裂してしまうのか。
動画を公開したのは、商品の安全性などをテストする独立行政法人・NITE(製品評価技術基盤機構)。担当者は会見で、このように説明した。

NITE(製品評価技術基盤機構))山崎卓矢さん:
ベビーカーのタイヤに空気を入れ過ぎると、タイヤが破裂して車輪が破損してしまう

原因は"空気の入れ過ぎ"…「いつ破裂するか分からない」

間違った使い方は「空気の入れ過ぎ」だった。

NITEの会見では、「抱っこひも」の装着をしっかり確認しないと赤ちゃんが落下する危険があるなど、ベビー用品の使用について注意が呼びかけられ、ベビーカーのタイヤを破裂させる実証実験の結果も発表された。

NITE(製品評価技術基盤機構) 山崎卓矢さん:
パーツが広範囲に飛散することが、実験で明らかになった。鋭利な破片が飛んでいくので、最悪は失明する恐れがある

空気を入れすぎたタイヤはいつ破裂するか、分からないという。
破裂すると、タイヤの周りの部品が鋭い破片となって飛び散り、実験では20メートル以上離れた場所にまで破片が散らばることが分かった。

5年前から、空気を入れるタイプのベビーカーを利用している女性に、実証実験の映像を見てもらうと…。

ベビーカーの利用者:
本当だ!すごい!(空気を)入れたことがないからわからないけれど、じゃあ(自分で)空気を入れないと思う。これからも

正しい"空気圧"は「指で押して少しへこむくらい」

では自分で空気を入れる必要に迫られた場合、安全に行うにはどうすればいいのだろうか?

実はタイヤの表面に、空気を入れる目安が書いてある。アルファベットと数字で書かれている「空気圧」だ。

この数値に収まるように空気を入れるが、圧力計が付いた空気入れは、自宅にあるだろうか?
またコンプレッサーを使った場合は、勢いが良すぎて、一瞬で適正な空気圧を超えてしまうこともあり、注意が必要だ。

しかし専用の機械が無くても、安全なタイヤの空気圧を簡単に確かめる方法があるという。

NITE(製品評価技術基盤機構) 岡田有毅さん:
(タイヤを)指で押して、少しへこむことを確認すると良い

空気を入れる場合は、少しずつタイヤの硬さを確かめながら行うことが大切だ。正しい空気圧が、ベビーカーの安全を守る。

(北海道文化放送)

北海道文化放送
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