東京の感染者 先週は「イレギュラー」?
東京都では、新型コロナウイルスの感染者数が、水曜、木曜に多くなる傾向にある。しかし、先週(25日~)は“イレギュラー”だった。
25日(月)2万2387人 26日(火)3万1593人 27日(水)2万9036人
28日(木)4万0406人 29日(金)3万6814人 30日(土)3万3466人
このように、先週は水曜日が少なかったのだ。
「この数値ですが、5000人から6000人がおとといハーシスが不具合だったわけで、その分の数字が遅れて出てきているというわけで」。 初の4万人超えとなった水曜日、小池知事はその理由を、こう説明した。

26日に、「ハーシス」という厚労省の感染者情報を管理するシステムに、不具合が発生。そのため集計が遅れ、27日分の感染者数5000人~6000人が、28日分に上乗せされたため、一気に4万人を超えたというのだ。
つまり、ハーシスの不具合がなければ、水曜、木曜の感染者数は、それぞれ3万5000人程度。4万人を超えることはなかった、ということだろう。
潜在感染者は数倍?
「やっぱり検査を受けられておらず、検査キットが足りてないと思う」。 取材に対して、ある関係者は、先週の感染者数について、「4万5000人から6万人になってもおかしくないが、検査キット不足で検査が進まず、感染者数が低くなったのではないか」との認識を示した。その上で、「本当の感染者数は数倍以上いる」と指摘する。

検査を希望する人に、検査キットが行き届かなかったため、予想よりも、感染者数が少なくなったというのだ。さらに、医療機関にとっては、保健所への届け出作業に時間を要するため、1日の受け入れ患者数に、一定の”上限”を設けているとされる。だから、実際には検査できていない「潜在感染者」が今の感染者の数倍いるというのだ。
感染者数「頭打ち」のワケ
「頭打ちじゃないか」 。ある関係者は、東京都の今週(8月1日~)の、感染者数の動向ついて、検査が「上限に達している」と指摘する。現在の”検査能力”を考慮すると、増えても3万5000人前後で“頭打ち”になるとの見方を示した。 検査能力を超えて、感染者数が発生することはないという理屈だ。

「天井効果って言われる状況がしばらく続いた」 。また、この頭打ち状態は「天井効果」とも呼ばれ、大阪のケースだと、1ヶ月ぐらい続いたという。このため、東京でも、少なくとも2週間は「天井効果」が続く可能性があるとのこと。
感染者数だけでなく、病床使用率や重症者数も、もちろん重要だが、感染者のうち一定割合は入院が必要となり、重症化もする。 日々出される感染者数が実態に即したものなのか、そういったことも含めて注視する必要があるだろう。
(フジテレビ社会部・都庁担当 小川美那)