「それは宝石に一番近い果実」というキャッチコピーで売り出されているブドウがある。石川県が14年の歳月をかけて開発した高級ブドウ「ルビーロマン」だ。初競りの1日に密着した。

前年は初競り1房140万円 最高値更新なるか
宝石のように赤く輝くブドウ。その名もルビーロマン。初競りには6人の生産者が栽培した183房が並んだ。

中でも市場関係者が注目したのはこの1房。1粒の重さが30グラム以上あり、最高級品質のプレミアムに次ぐ「特秀Gクラス」だ。

石川県 馳浩知事:
これはすごいな

果たして、このルビーロマンの値段は…?

競り人:
150万円!!

ついた値は過去最高額の1房150万円。4年連続で最高値を更新した。

ルビーロマンを150万円で競り落とした旅館の料理長は…。
百楽荘 島田大輔料理長:
ルビーロマンのデビュー15周年という節目に競り落とすことができて光栄です。このコロナ禍でも当旅館がやってこれたのはお客さまのおかげなので、素晴らしいルビーロマンでお返しができたらなと思います

1粒換算では約5万5555円。まさに宝石に一番近い果実だ。
なぜそんなに高級? 厳しい出荷基準
元々、石川県内で生産されているブドウといえば「デラウェア」だった。しかし、ブドウ市場の人気が小粒種から大粒種へ変わったため、県独自の大粒ブランドを開発することにしたという。
キーワードは「赤くて大粒なもの」。赤い大粒な品種は全国で流通していなかったからだ。

県は14年の歳月を経てルビーロマンを開発。糖度は巨峰並みで、粒の大きさは巨峰の約2倍。なおかつ酸味は少なく、ジューシーで後味がよいのが特徴だ。

さらに出荷基準がかなり厳しい。1粒3.1cm以上の大きさ、約20g以上の重さ、糖度は18度以上、色見本に対応する色づき。これがクリアできなければ出荷すらできず、半数近くは商品化できないという。

品質に一切妥協しないため希少価値は高まる。これがルビーロマンが高級たる理由だ。
1粒5万円超のブドウ 宿泊客に無料で提供
過去最高額150万円で競り落としたのは、県内で3つの旅館を経営する百楽荘。さっそく、市場から130キロほど離れた能登町の旅館に運ばれた。

運ぶ人:
これ落としたらどうしようかなと思って…手が震える

1房に27粒。1粒あたりの金額は約5万5555円。宿泊したカップルに1粒ずつ、無料で振る舞われた。その味は…?

ルビーロマンを食べた男性客:
めっちゃ甘いです!

ルビーロマンを食べた女性客:
こんな大きいの初めて食べました!

150万円のルビーロマンを含め約40房を落札した百楽荘は、県内3つの旅館で宿泊客に提供したそうだ。

それは宝石に一番近い果実。ぜひ石川県を訪れて食べてみてはいかが?
(石川テレビ)