7月10日に投開票が行われた参議院選挙。新潟選挙区では自民党の新人・小林一大さんが初当選を果たした。今回の選挙戦で勝敗を分けたものは何だったのだろうか。
出遅れた野党 序盤戦は自民が優位に
接戦から一転、7万票もの大差がつく結果となった今回の選挙。これほどの大差がついた理由について、FNNが行った情勢調査の結果も踏まえて解説していく。
【参院選・新潟選挙区】
▽自民・新 小林一大 氏 51万7581票
▽立憲・現 森 裕子 氏 44万8651票
▽諸派・新 遠藤弘樹 氏 3万2500票
▽N党・新 越智寛之 氏 1万7098票
今回は立憲・森裕子さんと自民・小林一大さんによる、事実上の与野党一騎打ちの構図となった。

まず、現職の森さんは“野党共闘の構築”がポイントとなる中、直近の知事選で野党の足並みが乱れたこと、また前回とは異なり、立憲民主党公認のため連合新潟との関係を重視し、共産党とは距離を置いたことで共闘態勢としては出遅れた。
一方、議席の奪還に燃える自民党は、知事選で支援した花角知事の勝利を弾みに選挙戦に突入。序盤戦は情勢調査でも小林さんが優位に立っていた。
しかし、中盤戦に流れが変わった。

追い上げる野党 無党派層取り込み結束もアピール
森さんは選挙期間中も続く「物価の高騰」に争点を絞って訴え、無党派層を中心に支持を広げていった。
また、不協和音が生じていた野党間だったが、「野党の議席を守る」という共通目標のもと、野党横並びの演説会を開き結束をアピール。後半戦に向かって激しく追い上げる展開となり、まさに激戦となっていた。

終盤戦 安倍元首相の襲撃事件で流れ変わる
自民党も大接戦の状況から、終盤戦に小泉進次郎元環境相など人気のある議員に加え、茂木幹事長が2度目の来県。

それでも森さんとの拮抗した状態が続いていたが、7月8日、安倍元首相が襲撃された事件で大きく流れが変化した。事件の翌日に行った情勢調査や期日前の出口調査で、小林さんが頭一つ抜け出た形に。
そして、選挙戦最終日に岸田首相が異例ともいえる”マイク収め”を新潟で実施。最終盤で一気に突き放した形となった。

結果的に、加茂市を除く市町村ですべて小林さんが勝利。

一方の野党側としては、共闘態勢のあり方について改めて課題を突きつけられた結果とも言えそうだ。
(NST新潟総合テレビ)