参議院議員選挙の投開票が、7月10日に行われた。福井選挙区では自民党現職の山崎正昭氏(80)が6回目の当選を果たし、福井県民は変化ではなく「継続」を選んだ。投票の結果は国政を変える可能性がある。

ウクライナに目を向けると、国民の投票の結果で国の方向性が変わり、ロシアの軍事侵攻にまで発展したとの側面がある。県内に避難したウクライナ出身の2人を取材し、国の未来のために1票を投じる大切さを考える。

長年の政治腐敗 打倒を訴えたゼレンスキー氏

ウクライナからの避難民を受け入れている福井市の「グローバルリンク」。

原発が隣接するウクライナ西部フメリニツキー出身のグク・オレクサンドラさん(30)は5月、福井市内に避難してきた。

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ーー日本に来る前は日本のことは知っていた?

グク・オレクサンドラさん:
いいえ、あまり知りませんでした。日本にいることが信じられません

平穏な生活が突如として一変したロシアの軍事侵攻。

日本での生活に溶け込むため、福井市のグローバルリンクが運営する日本語学校で勉強を続けている。

グク・オレクサンドラさん:
カタカナや平仮名の勉強を続けている

ウクライナは、国のトップを国民が直接選ぶ「大統領制」をとっている。直近の選挙は2019年。

現在のゼレンスキー大統領は、長年まん延する汚職など政治腐敗の打倒を訴え、7割を超える得票率で当選した。

グク・オレクサンドラさん:
ゼレンスキー大統領は元コメディアンでテレビに出演し、ウクライナ国内では知名度が高かった。彼は包み隠さず自分の考えを伝えてくれる。彼に投票すれば問題ないと思った。長年政治が変わらなかったので、しがらみのないゼレンスキー氏に投票した

ロシアとの関係を見直し軍事侵攻に発展、それでも

この大統領選挙で初めて投票に参加した女性にも話を聞いた。

ミサイル攻撃などで多数の死者が出ている港湾都市、オデーサ出身のクセニア・ストリアルチュクさん(24)。選挙当時、多くのウクライナ人はこれまでの指導者に不満を募らせていたと振り返る。

クセニア・ストリアルチュクさん:
これまでの政治には満足していなかった。汚職などのネガティブな政治が社会的・経済的な問題をもたらしていた。10年間、違う大統領にしたいと思っていた。ゼレンスキー大統領は今までの大統領とは全く違う

ゼレンスキー政権下のウクライナでは、ヨーロッパとの交流が深まったことでロシアとの関係を見直す動きが広がっているという。

クセニア・ストリアルチュクさん:
ウクライナの人たちは、将来や子どもたちのことを心配している。国のためにいいことをしてくれると信じている大統領を選んだ。社会的・経済的な問題はあるが、自分たちの選択で解決できると期待している

新しい政治を求めて国民が選んだゼレンスキー大統領。ただその結果、ロシアとの摩擦は強まり軍事侵攻にまで発展した。国土が破壊されている今、大統領選挙の結果に後悔はないのか。

ーー大統領選挙は後悔している?

クセニア・ストリアルチュクさん:
いいえ、後悔はしていない。ほかの大統領だったらロシアとのつながりが強く、私たちは自由を失ってしまう恐れがある。ウクライナ人は、自分の将来のために戦う必要がある。国の未来は、私たち自身が投票で決める

(福井テレビ)

福井テレビ
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