午後5時、黒のスーツにブルーのネクタイ姿で現れた羽生結弦選手は自ら決意表明の場とした会場に臨み、新たな一歩を踏み出す考えを表明した。

羽生結弦選手(27):
はい。こんにちは羽生結弦です。この度はこのような場に皆さん、集まってくださって、そして見てくださって本当にありがとうございます。これまでたくさんの応援のおかげで、僕はここまでこれました。ここまで頑張ってこれました。そしてメディアの方々、カメラマンの方々も含めて本当にたくさん応援していただきました。そういった皆さんの応援の力の中で、羽生結弦としてフィギュアスケートを全うできるのが本当に幸せです。まだまだ未熟な自分ですけれども、プロのアスリートとしてスケートを続けていくことを決意いたしました

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プロスケーターへ転向で競技引退表明

羽生結弦選手(27):
本当に…いや~本当に緊張しています。これからもプロのアスリートとして競技者として他のスケーターと比べ続けられることはなくなりました。ただ、これからは自分のことを認めつつ、また自分の弱さとそして過去の自分とも戦い続けながら、これからも滑っていきたいと思っています。そして、4回転半ジャンプにもより一層取り組んで皆さんの前で成功させられることを強く考えながら、これからも頑張っていきます。戦い続ける姿をこれからも応援して頂けたら嬉しいです

今後は競技大会に出場せず、アマチュア選手としては第一線を退く考えを示した羽生選手。時折、声を震わせながらアイスショーなどに出演するプロへの転向を宣言した。また、4回転アクセルについては今後も挑戦し続けていくという。

羽生結弦選手「オリンピックは自分が生きた証」

これまでに三度出場したオリンピックについてはこう話した。

羽生結弦選手(27):
オリンピックはそうですね。もちろん、自分にとっては二連覇できた今の自分のこういう立場だったりとか、こういう発言をさせていただく場所だったりとか、そういうものを作ってくれている大切なものたちだなというふうには思うんですけれども、僕にとっては自分が生きているという証っていうか。競技者としてここで終了というか、ここからプロになりたいなって思うことは多々ありました。いろんな場面でありました。平昌オリンピックが終わった段階でも思いました

羽生結弦選手(27):
なんか、やっぱり新たなスタートとして次のステージに向かいたいっていう、そういう何かネガティブに引退とか何か不思議ですよねフィギュアスケートって。なんか現役がアマチュアしかないみたいな感じですごく不思議だなって僕は思っているんですけど。むしろここからがスタートで、これからどうやって自分が見せていくのかとか、どれだけ頑張っていけるかっていうところが大事だと思っているので、そういう意味では何か新たなスタートを切ったなっていう風に今思っています

1994年、宮城県に生まれ、現在27歳の羽生選手は2014年に19歳で臨んだソチオリンピックでアジア男子初の金メダルを獲得。4年後の平昌大会では66年ぶりとなる2連覇を達成した。

世界選手権やグランプリファイナルなど主要国際大会の団体スーパースラムを男子として初めて達成したのも羽生選手。

そしてオリンピック3連覇をかけた2022年2月の北京大会では、夢の大技4回転アクセルに挑戦した。けがを抱えながらも、果敢に挑んだ最高難度のジャンプは転倒こそしたが、国際スケート連盟の公認大会で初めて4回転アクセルと認定された。

羽生結弦選手(27):
本当に全力でやっているからこその緊張感みたいなものをまた味わっていただけるようなスケートを常にしたいと思っているので、全体力と全神経を注いで、本当にある意味では死力を尽くして頑張りたいなと思っています

(「イット!」7月19日放送分より)