文部科学省は、2020年度に通常学級に通っているADHD(注意欠陥多動性障害)や学習障害、自閉症の児童・生徒について調査をして、その結果を発表した。

それによると、全国の国公私立の小中高等学校で、通常学級に在籍しながら、週に数回だけ、障害などに応じて、他の教室で特別な指導を受けている児童生徒は、合わせて16万4693人。調査開始以来、最多となった。

内訳としては、ADHD(注意欠陥多動性障害)の児童生徒は3万3825人、学習障害は3万612人、難聴は1956人、弱視は237人、情緒障害は2万1833人、自閉症は3万2346人、言語障害は4万3632人だった。

この中でも、ADHDと学習障害においては、2019年度の調査から、およそ1万7000人も増加した。また、自閉症については、調査項目に追加された2006年度は3912人だったのが、14年間でおよそ8倍増えたことになる。

文部科学省の担当者は、増加の理由について「保護者の学習障害などに関する理解が深まり、特別支援を希望する人が増えたことが考えられる」としている。

また文科省は、学校における医療ケアが必要な児童・生徒についても調査結果を公表した。それによると、去年5月時点で、特別支援学校(幼稚園・小中高)に通う児童生徒のうち、医療ケアを必要としている数は8485人で、2019年の調査時より、およそ100人増加した。最も多い医療ケアは、喀痰吸引で、次いで経管栄養だった。

通常の学校(幼稚園・小中高)では、医療ケアを必要としている児童・生徒は1783人で、2016年の調査(766人)から2倍以上に増えた。通常の学校での医療ケアで最も多かったのは導尿で、次いで血糖値測定やインスリン注射だった。

文科省は、増加の要因について、はっきりしとした事はわからないとした上でで、「医療ケアが発展したことで、これまで学校に来られなかった子どもたちが、通えるようになったと考えられる」としている。

通常の学校に通う医療ケアが必要な児童生徒のうち、保護者が学校生活で付き添いしているのは530人だった。そのうち半数以上の60.5%が付き添いの理由として「看護師が配置されてない及び認定特定行為業務従事者がいないため」と答えている。文部科学省は、障害のない子と一緒に学ぶインクルーシブ(包容する)教育を進めるため、発達障害のある児童生徒が通常学級で学んでいくための支援策をすすめていて、医療的ケアを行う看護職員を拡充するため、今年度の予算を増額するなどしている。