すでに暑い夏が始まっているが、意外なところに「熱中症対策の落とし穴」があるという。専門家の意見を聞いた。

2022年は国の7年ぶりの節電要請で、室内の温度をこれまでの26℃から28℃にするよう奨励しているが、実はここに落とし穴があると専門家は指摘する。

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今回は、7月発売の雑誌「レタスクラブ」でも熱中症対策を紹介している竹中美恵子医師に話を伺った。

人数や状況に応じて、こまめに設定変更を

女医によるファミリークリニック・竹中美恵子院長:
室内を28℃にするというのが環境省から出ているものですが、みなさん間違えやすいと思います。

竹中美恵子院長:
クーラーの温度設定を28℃にしておいたら部屋は30℃以上になるので、28℃の室内にするためには25℃か26℃にしておかないと

さらに、この温度設定もこまめに調整する必要があるという。

竹中美恵子院長:
室内の環境は、人数や何を作業しているかによってアップダウンがあるので、温度ばかりを気にして「この設定にしないと」とやせ我慢をしていると、急に気分が悪くなったり嘔吐してしまったり、そこで気付くことがある

そのほかには、どのような対策法が有効なのか。

竹中美恵子院長:
1番おすすめなのは霧吹きの扇風機です。体感温度が低くなる。

竹中美恵子院長:
あとは氷や保冷剤などを首の後や脇の下、太ももの付け根など太い血管が通っている所に当てたり。体が火照り過ぎないように、中に熱をこもらせないようにする努力が必要

服装は白く風通しのいいもので体感温度を下げる

この他、服装の工夫でも効果があると竹中医師は指摘する。

竹中美恵子院長:
白いものの方が体感温度を下げるためにはいい。レフ版効果で日焼けをしてしまうというのはあるが、体の中にこもる熱のことを考えると、白っぽい洋服で風通しのいい素材の方がより体感気温は下がります

そして、実は「熱中症になりやすいタイプの人」がいるという。

竹中美恵子院長:
3歳までに熱中症になりやすいか、なりにくいかの体質が決まると言われている。外で汗をかいて遊ぶ経験が少なかった幼少期を過ごした人は熱中症になりやすい。比較的、室内で遊ぶことが多い女の子の方が当院には来ることが多い。女の子が多い印象があります

熱中症予防のポイントをまとめた。

(1)室内の温度を28℃にするなら、温度設定は25℃~26℃に
(2)人数や状況に応じてこまめに設定を変えること
(3)体に熱をこもらせないように、太い血管の通っている「首の後ろ」「脇の下」「太ももの付け根」などを冷やすと効果がある
(4)服装は白い色が効果的で、風を通しやすい素材がいい

さらに、予防には水分補給も重要。スポーツ選手には上手に水分補給する人が多いが、水分補給のコツは?

テレビ新広島 野球解説者・山内泰幸さん:
一度にたくさんの水分を摂っても体が吸収できないので、少量の水を小まめに取ることが大切

この夏は全国的に例年よりも早く暑くなっているが、室内ではクーラーの温度設定に今まで以上に気を配る必要がありそうだ。

(テレビ新広島)

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