午後2時すぎ、強烈な日差しが照りつけ、東京・渋谷のスクランブル交差点には日傘の花が咲いていた。東京都心の最高気温は35.4度まで上がり、猛暑日は5日連続。6月の連続記録をさらに更新した。

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東京・渋谷区の店舗には、冷たいドリンクを求めて長い行列ができていた。

猛暑に”空調ウェア”が大活躍

東京都内の商店街では、電気工事中の作業員に強い日差しが照りつける。

電気工事の作業員:「暑いっす」

炎天下での作業を乗り切る切り札が、作業着に扇風機が付いた空調ウェア。

電気工事の作業員:「楽ですね、あれば。風があるので涼しいですね」

製氷業者では、注文の電話が鳴り止まず…

連日の暑さで大忙しとなっていたのが、飲食店などに氷を卸す製氷業者だ。飲食店が通常営業となる中での突然の猛暑で注文の電話が鳴りやまない状況だという。

冨士氷室・植松寛代表:「先週の金曜日くらいからですね、急に。6月のこの時期はちょっと一息つくという時期なんですけどね。ちょっと予想外です」

製氷された氷は次々と運び出され、トラックで配送される。作業場の室温は12度。これに対して、お店の外は手元の温度計で38.6度と、30度近い気温差がある中での作業は過酷だ。

この思わぬ氷需要に水を差しているのが節電だ。

冨士氷室・植松寛代表:「いや、大幅な節電は難しいですね。あんまり温度を上げることもできないですし、限界がありますね」

東京電力管内に政府が「電力需給ひっ迫注意報」を発令して3日目。電力需給は今日が最も厳しいとされていた。

冨士氷室・植松寛代表:「氷が溶け出すと商品にならないから、それはちょっと心配なところはありますけどね」

気温40℃に「伊勢崎、やばいっす」

災害レベルとも言われる危険な暑さは、さらに厳しさを増している。

「あちゅい」「暑すぎます本当に。40度…お風呂ですね」という声が聞かれたのは、群馬県伊勢崎市。

市内の温度計に表示された40℃の文字、今月2度目の40℃到達だ。

男性は「伊勢崎、やばいっす。40℃超えてるんですか?」と小型扇風機を片手に話す。

群馬県では、桐生市や前橋市でも最高気温が39℃を超えた。関東甲信では合わせて8地点で39℃以上を観測し、猛暑日となった所は今年最多の全国151地点に上る。

かき氷が好調、電器店は大忙し

最高気温39.6℃の暑さとなった栃木県佐野市。名物のイモフライとともに売れていたのがかき氷だ。

かき氷を注文した女性:「今年は初めてなんですよね、かき氷は。違いますよね。氷が入るとね」

最高気温35.4℃を観測し、5日連続の猛暑日となった東京。

生活彩館 かさい電器:「(エアコン)急いで用意します。寝られないもんね、これじゃ」

町の電器店は、エアコンの修理や設置作業に追われていた。

この猛暑の中で求められているのが「節電」。東京・板橋区の商店街も協力していた。

記者:「こちらの商店街なんですが、普段は午後4時からアーケードの照明を点けているのですが、節電として午後8時まで照明をつけないということです」

政府が東京電力管内に「電力需給ひっ迫注意報」を発令して3日目。

姉崎火力発電所5号機の再稼働が30日にずれ込み、この3日間で最も電力需給が厳しくなる見通しとなった。

「できる限りの節電」に商店街や店も協力

「できる限りの節電を」との呼びかけに応え、商店街のお店もさまざまな節電に取り組んでいる。

和菓子店では、仕込みを終えた作業場などを消灯。

販売員:「明るくして仕事をして、仕事してない時は消す」

そしてこちらのカフェも店内が暗めだ。節電のため照明を半分落として営業をしている。電力需給が特に厳しいとされたのが午後3時から午後8時まで、政府は熱中症に警戒し、冷房などを適切に使いながらの節電を求めた。

六本木ヒルズは、独自の対応をとっている。電力ひっ迫を受け、発電機を増やして、自家発電の電力の一部、一般家庭のおよそ1800世帯分に当たる6500キロワットを市場に供給するという。

猛暑は30日以降も続く見通し。経済産業省は先ほど東電管内に出している「電力需給ひっ迫注意報」を30日も継続すると発表した。

(「イット!」6月29日放送分より)