白髪染めは地毛の色、結婚指輪以外の装飾品は禁止など市の職員の身だしなみをめぐるルールに波紋が広がっている。

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「結婚指輪以外の装飾品はつけない」身だしなみ規定

愛媛県松山市役所に向かうと、中には職員向けに身だしなみルールが張られていた。「ミニスカートは不可。髪は意図的に染めることは不可。白髪染めは地毛の色で」など細かく指定されている。

物議を醸しているのは、「勤務時間中の身だしなみモデル」と題した規定。ミニスカート不可など赤で強調された禁止事項以外にも「結婚指輪以外の装飾品は身につけない」という気になるルールがある。

時代遅れ?身だしなみ規定で議会が紛糾

この問題をめぐり、6月28日に開かれた市議会が紛糾。市議からはルール見直しを求める声が上がった。

松山市・梶原時義市議:
職員の「勤務時間中の身だしなみモデル」の中身には、社会の流れに抵抗するかのごとき、あしき昭和のにおいがしてなりません

梶原時義市議は、さらに結婚指輪以外の装飾品の禁止について質問した。

松山市・梶原時義市議:
未婚者には装飾品を身に着けさせない。未婚者は結婚しなくて指輪をつけてはいけない。こういう規定はハラスメントではないのかということを含め、説明と見直しを求める答弁をお願いします

これに対して松山市の総務部は…

松山市・総務部長:
おしゃれを目的とした装飾品は、公務職場でふさわしいとは言えないため、(市職員に)身に着けないようを示すことはハラスメントとは考えておらず、現時点で見直しは考えておりません。以上です

市は職員による勤務中のおしゃれはふさわしくないとして、見直しをしない考えを示した。

松山市・梶原時義市議:
こんな文書を貼り出さなくてもですね。職員さんには十分なモラルがありますから、ある意味で情けない現象。こんな張り紙が本当に必要なのかと

そもそも、この身だしなみルールは市役所を訪れる市民に好感を持ってもらうのが目的で職員の制服が廃止された2006年度から細かく定められ、それ以降は大きく変わっていない。

7月5日、松山市役所を取材するとパソコンに向かう男性職員の指には結婚指輪のみ。男性、女性とも黒髪で結婚指輪以外の装飾品を着けている人はいない。

身だしなみルールについて職員や市民に聞いた

当の職員たちはルールをどう受け止めているのか。

松山市職員A:
その通りかなって思って働いています。公私は分けた形で接するにあたって、そういう装飾品とかもなるべく控える方がいいのかなと思いました

松山市職員B:
多少はちょっといいのかなとは思います。ちょっと厳しすぎるんじゃないかな。「古いな」と思いました

市民にも職員の身だしなみルールについてどう思うか聞いた。

松山市民A:
(装飾品を)つけてもいいと思う。そんなの自由。なんでつけたらいけないの?

松山市民B:
働かれている方にそこまで制限する必要があるのかどうかなとは思います

市の人事課によると「これまでにルールを守らなかったという理由で処分を受けた職員はいない」という。

(「イット!」7月5日放送分より)