大学生が集落で初のマルシェ開催…新型コロナで絶たれた“人とのつながり”取り戻し笑顔【新潟発】
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大学生が集落で初のマルシェ開催…新型コロナで絶たれた“人とのつながり”取り戻し笑顔【新潟発】

対面での出会いを大切にしようと、新潟県長岡市にある山に囲まれた小さな集落で、初めて開かれたマルシェを取材した。

若者たちが企画! “好き”を持ち寄ったマルシェを集落の古民家で

新潟県長岡市川口地区
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山の斜面に民家が点在する、長岡市川口地区の木沢集落。

古民家に集まっていたのは、下見に訪れた若者たちだ。この古民家を会場に、マルシェの開催を計画していた。メンバーは、長岡技術科学大学や長岡造形大学の学生などで、「私は自分で作ったアクセサリーを売る」「手作りのお菓子で出店しようと思っている」といった意見が飛び交う。

マルシェを発案した上田夏子さん

「スキコソ」と題したこのマルシェ、発案者で上越市出身の上田夏子さん(23)は、「みんなの“好き”を持ち寄って、自然の中でのびのびするイベント」だと説明する。

マルシェ開催の背景にあるのは、新型コロナウイルスの影響だ。

長岡技術科学大学 4年 大月一摩さん

コーヒーサークルの代表を務める長岡技術科学大学4年の大月一摩さんは、この2年ほど、サークルで磨いた腕前を味わってもらうことができなかった。

長岡技術科学大学 4年 大月一摩さん:
新型コロナ禍でイベントがなくなって、一般の人へコーヒーの提供ができない状況

新型コロナ禍で交流減る学生…マルシェをきっかけに人とのつながりを

NaDeCBASE(長岡市)

スキコソを発案した上田夏子さんは、長岡駅前にある、長岡の大学や高専の学生と地域産業の交流拠点・NaDeC BASE(ナデックベース)で、地域おこし協力隊として活動している。上田さんはその活動の中で、学生同士が交流できない現実を目の当たりにしていた。

上田夏子さん:
大学に進学しても、友達ができないという人も多い。スキコソはそういう人たちがつながるきっかけになると素敵なんじゃないかと思う

長岡造形大学 3年 高橋知子さん

長岡造形大学 3年で、デザインを学ぶ高橋知子さんも、この施設のもの作りスペースでアクセサリーを制作していた。

長岡造形大学 3年 高橋知子さん:
自粛で家にいる時間が増えて、何か趣味を見つけたいなということでアクセサリー制作を始めた

高橋さんが制作したアクセサリー

高橋さんは、寂しさを紛らわそうと、アクセサリー作りに没頭。人とのつながりを持ちたいと、制作したアクセサリーをスキコソで販売することにした。

長岡造形大学 3年 高橋知子さん:
アクセサリーを作ることはもちろん楽しいけど、身につけてくれた人に明るくなってほしいという思いが強いので、人に渡らないと意味がない

上田夏子さん:
だんだん新型コロナが収まってきて、今のタイミングだからこそ、つながりを感じられるようなイベントができるんじゃないかなと思って

古民家持ち主の「おとう」…学生へ思わぬ宿題!? 

里山食堂(長岡市)

この日、長岡市川口地区の木沢集落でスキコソのメンバーが向かったのは、そばが人気の食堂「里山食堂」だ。

古民家の持ち主 平沢勝幸さん

この食堂を運営する平沢勝幸さん(72)こそ、スキコソの会場となる古民家の持ち主だ。メンバーに「おとう」と親しまれている。

メンバーがそばを堪能する中、なにかを取り出すおとう。ここで、スキコソで手作りスイーツを販売予定の吉田琴音さんに、思わぬ宿題が…!

そば粉を受け取る長岡技術科学大学 大学院2年 吉田琴音さん

おとうが「イベント用に何か作ってほしい」と、そば粉を手渡したのだ。

長岡技術科学大学 大学院2年 吉田琴音さん:
おいしいものを私たちが生かせるかどうかだと思うので、頑張る

会場となる古民家は、平沢さんの亡くなった父親が70年前に建てたものだ。

平沢勝幸さん:
自分一人じゃ何もできないけど、若者の力を借りると、自分も若くなる

「忘れていたものを思い出す」 対面での交流にあふれる笑顔

みんなの好きを集めて楽しむマルシェ、迎えた6月11日。自身を「雨女」だと言い、心配していた上田さんだが、当日の天気は…

上田夏子さん:
無事にギリギリ晴れました

晴れやかな笑顔を見せる上田さん。会場では、コーヒーサークル代表の大月さんが、コーヒーを提供していた。

お客さんにコーヒーを手渡す大月さん

長岡技術科学大学 4年 大月一摩さん:
僕たちが作ったものを「おいしい」と言ってくれることが、すごくうれしい

高橋さんもお客さんにアクセサリーを売り込む。

お客さんとの会話を楽しむ高橋さん

長岡造形大学 3年 高橋知子さん:
対面で話せることがありがたい。忘れていたものを思い出すというか。すごく楽しい

そう話し、客と会話しながら、マスク越しでもわかるほどの笑顔をはじけさせた。

そして、おとうから宿題をもらっていた吉田さんは、一体どんなスイーツを作り上げたのか?

長岡技術科学大学 大学院2年 吉田琴音さん:
プリンの上にソバ粉のソースをかけた

おとうの食堂で飲んだソバ湯のおいしさをヒントに、プリンのソースをソバ粉で作ったという。さっそく、おとうが食べると…

吉田さんが作ったプリンを食べて笑顔に

平沢勝幸さん:
おいしい。ソバもおいしいけど、このプリンもおいしい

平沢さんの感想にほっとする吉田さん

長岡技術科学大学 大学院2年 吉田琴音さん:
おとうからもらったソバ粉だったから、「何とかおいしくしないと」と思って。「おいしい」と言ってもらえてよかった

人と人が笑顔で話す。スキコソを発案した上田さんの思いが届いた。

上田夏子さん:
人と人のつながりが新しい出会いを呼び込んでくれる。私自身もうれしいし、みんなもそう思っていてくれたらうれしい

みんなでマルシェをやってみたら、山の集落にたくさんの笑顔が広がった。

(NST新潟総合テレビ)

記事 788 NST新潟総合テレビ

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