子どもの頃、小遣いを貯めて何を買っただろうか。マンガやゲーム、文房具など思い浮かべる物はたくさんあるかもしれない。そんな中で今、6歳の男の子が買った物が「センスがいい」と話題になっている。

男の子がお小遣いで購入した神棚
男の子がお小遣いで購入した神棚
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それが金色の装飾が厳かな雰囲気を醸し出している“神棚”だ。高さ約40センチ×幅約36センチで、木目がキレイで欄干や階段もあり、中央の扉は開いてお札を入れることができるようになっている。

投稿したのは写真家の幡野広志さん(@hatanohiroshi)。「息子がホームセンターで一目惚れした神棚。自分で貯めたお小遣いで買っていた」そうで、購入してすぐにリビングのサイドボードに置き、宝物の“折り紙で作ったヘラクレスオオカブト”を中にしまったという。

中にしまっているのはヘラクレスオオカブトの折り紙
中にしまっているのはヘラクレスオオカブトの折り紙

サイズもぴったりなようで、この息子さんの様子には「センスいいなー」「素敵過ぎる!可愛すぎる!」との称賛や、中には「息子さんのお気持ち分かりますねぇ」などと自身の子ども時代を思い出した共感のコメントなども寄せられ、3万2000のいいねが付く話題となっている(6月22日時点)。

6歳の男の子を一目惚れさせる神棚ってすごい

自分のお小遣いで購入したとのことだが、なぜ息子さんは神棚に一目惚れしたのだろうか?そして、ヘラクレスオオカブトの折り紙を飾った理由も気になる。

幡野さんに話を聞いてみた。

ーー6歳の息子さんが一目惚れした経緯を改めて教えて。

ホームセンターには元々木材を買いに行っていたんです。木材コーナーで神棚が売っていて、通りかかったときに見つけて、その場で一目惚れしたみたいで「買いたい」って言ってきました。

最初見た時は「ちっちゃいおうちがある!」とビックリしていましたね。見たこともなかっただろうし、子どもからするとビックリするのかもしれないですね、すごい欲しがっていましたよ。見つけたその日に買いました。日頃からお金はどんどん使って、使ったらまた稼げばいいと伝えているので、ためらいなく買っていました。


ーー神棚の値段はいくらぐらいだった?

3500円くらいのものです。金が付いていてデザイン的にも派手で、いかにもというものですね。大きさや装飾によって値段が違っていて、息子が一番欲しかったのは9000円くらいで少し高くて、自分のお小遣いで買える一番良い物を買っていました。

神棚の入っている箱
神棚の入っている箱

ーー小遣いで購入したとのことだが、どうやって貯めたもの?

お小遣いは、最近引っ越しをした際に片付けの手伝いを頑張ってくれて、その時に割とあげていたんです。ベランダにあったウッドパネルを剥がして車に運んでと、結構な量を手伝ってくれました。3時間くらい働いてくれたので時給換算で3000円くらいですね。

もともと貯めていたようで、8000円弱は持っていましたよ。月一回とかはまだあげていないので、祖父母などの親族からもらったり、大人がやってもつらいだろうなと思う特別なお手伝いの時にあげるようにしています。

引っ越しの手伝いの様子
引っ越しの手伝いの様子

ーー神棚を買ったことをどう思った?

神棚を買った人を初めて見ましたね。ホームセンターで神棚を買う人っているんだなと思いました。そういった驚きはありました。そして、6歳の男の子を一目惚れさせる神棚ってすごいなと思いましたね。おもちゃ屋さんに行ってもおもちゃの家とかには心動いていないので…。

好きな物を自分で選べる子になってほしいと思っていたので、親の顔色をうかがわずに、素直に欲しい物を買える子になって良かったなと思いました。


ーー特に否定はしなかった?

全然、普通に良いんじゃないかと思いました。否定する感覚すらなかったですね。自分のお金で買えて、自分が良いと思った物で、法的に何か問題がある物ではないので、逆に否定しなかったの?といったコメントがあることにビックリしました。普通のおもちゃのブロック玩具なんかを買うのと同じ感覚です。

神棚を箱から出して運んでいる息子さん
神棚を箱から出して運んでいる息子さん

ヘラクレスオオカブトの折り紙は宝物の1つ

ーー息子さんはどのような子?

明るい性格のいい子ですよ。家ではゲームをしたり算数をやっていたりします。家の中でだけでなく、他にも公園へ行って枝とか石とかを拾って工作したりもします。わりと文化的な子かなとは思います。今は宝石というか鉱物にハマっています。2人で川に行って採石したりして、大事に保管していたりもします。

近所の川で宝石探し
近所の川で宝石探し

ーー神棚がどのような物かは知っていたの?

知らないと思います。おもちゃたちの小さい家といった認識で欲しいと言ったのだと思います。おもちゃ屋さんで売っている家と比べると、本物なのでクオリティが全然違っていて、そういった部分が子どもの心をつかんだんじゃないですかね。

とりあえず“ちっちゃい神社”とは教えましたけど、へーといった反応ですね。まだ少し難しいかなと思います。でも神棚とかをきっかけに、興味を持って勉強してくれたらとは思いますね。


ーーなぜヘラクレスオオカブトの折り紙を入れていた?

折り紙を作ったのは折り紙が上手な保育園の先生で、このヘラクレスオオカブトの折り紙は息子の宝物の1つになります。

神棚の中にこれを入れたのは、他にも宝物はたくさんありますが、神棚の中の形や大きさと合う物があまりなく、折り紙のサイズがピッタシだったからですかね。それとちょうど今クワガタを育てているので、おうちをあげたかったのかなと思います。

ヘラクレスオオカブトの折り紙
ヘラクレスオオカブトの折り紙

ーー中にしまっているのを見た心境は?

神様の根底とはこれだなと思いました。神棚にはご神体を収めますが、昔の人は神様と紙をかけて、札とかの紙に変えて祈っていた。偶然だとは思いますが、息子が折り“紙”を入れているのは、元祖とまではいかないですが結構近しいことをしているのではと思います。学んだ経験もないのにそこまで間違ったことをしていないと思いましたね。まぁ、それがヘラクレスオオカブトだったわけで、ヘラクレスオオカブトの神様をまつる神社になっちゃったという…。直前に保育園の先生が折っていた物が違っていたら、また違っていただろうですしね。


ーー投稿には多くの反響があるけど、どう感じている?

そんなに反響が大きくなるとは思わなかったです。普通に日々の様子を投稿しただけなので、こんなに反響があることにむしろビックリしています。僕自身が割と普段からヘンテコな物を買っていたりするので、今回の神棚はホームセンターで普通に売っている物を買っただけなのでたいしたことじゃないと思います。

近所の川で採石した息子さんの宝物
近所の川で採石した息子さんの宝物

現在も神棚は、購入して息子さんがすぐに置いたリビングのサイドボードの上に変わらずに飾っているという。この位置はテーブルの息子さんの席から視界に入る位置であり、高さも息子さんの背の届く範囲であるそうで、インテリアとしてもしっくりしていることから、今後も飾っておくのだそう。

ちなみに、息子さんは買って満足したのか、特におもちゃとしても遊んだりはしていないそうで、「今後ちょうどいいサイズの宝物ができたら入れると思いますよ」と幡野さんは話している。6歳の男の子がお小遣いで購入した神棚は、宝物の置き場所として今後も活用されそうだ。
 

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。