海水温上昇などの影響もあり、魚介類の水揚げ量が激減している北海道。ロシアからの輸入が減り、一層の価格高騰が心配されているのが「サケ」だ。

秋の味覚の一角を担うサケの高騰に戸惑う人々…。そんな中、食卓の救世主となるかもしれないと注目を集めるサケが登場した。北海道の南部、函館市に近い八雲町で道産サーモンの養殖事業化が本格化している。

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ウクライナ侵攻や円安の影響 2割前後の値上げ続く?

札幌市手稲区のスーパー。仲卸から直接、大量に仕入れることで、価格を抑えた海産物が人気だ。この店で扱うサケの約8割はロシア産。

新崎真倫 記者:
お買い得なロシア産のサケがずらりと並んでいますが、いま店頭で扱っているのは2021年にとれたサケだということです

例年は9月ごろから、今シーズン水揚げされたものが店頭に並ぶが、2022年はロシアのウクライナ侵攻の影響でサケ・マス漁に遅れが出た。

吉本水産 会長 吉本龍真さん:
(サケの値段は)2割くらい上がると思う。ロシア方面でもそれなりに漁獲されているので、新しいものが入ってくると思う。だから入荷が途切れるということはないだろうと

こちらのスーパーでは、これまで十分な在庫を確保できていたため価格への影響は抑えられていたが、円安の影響なども重なり、サケの値段が少しずつ上がり始めているというのだ。

利用客:
サケの値段が上がっている

Q. サケは食卓によく並ぶか

利用客:
そうですね、体に良くて簡単に焼けばよいだけなので。漁師さんも大変だし、私たち庶民も大変

利用客:
サケはたいてい冷蔵庫に入ってます。紅サケ、ロシア産のものなど高いなって思います

最も需要が高まる年末に向け、2割前後の値上げは続く見通しだという。

水揚げ量、魚体とも年々増加 新たな水産資源に期待

そんな中、登場したのがこちらの「二海(ふたみ)サーモン」。丸々と太った大きな魚体と、脂のノリが良く、程よい歯ごたえが特徴だ。

寿司ネタとしても人気のトラウトサーモン。その養殖事業が進んでいる。

寿し処 かきた 垣田篤さん:
食べてみてもさっぱりした味で、あんまり脂っこくない感じですね。二海サーモンは身がビッと締まっていていい

二海サーモンは、八雲町などが地域産業の活性化を目的に3年前から試験養殖を行なってきた。

北海道内初となる「道産サーモン」の養殖事業化を目指していて、5月の水揚げ量は目標の10トンを超える約11.8トン。平均で1匹あたり3.4キロほどと、前年比で0.4キロ上回ったのだ。

Q. 手ごたえは

ひやま漁協熊石支所サーモン養殖部会 部会長 高橋聖治さん:
それなりに成長していると思う。順調です

秋サケやスケトウダラなどの不振が続く中、新たな水産資源の誕生に向け、期待が高まっている。

寿し処 かきた 垣田篤さん:
ノルウェーとか、そういうところのが今まで多かったと思うが、外国のものではなく地元のものを使うようにしようと思う

八雲町 サーモン推進室 係長 松田力さん:
水産物は市場価格の影響、こういった情勢に影響されやすい部分があるが、今後はこの二海サーモンの付加価値をつけて、情勢や市場の状況に負けないように取り組む

ウクライナ侵攻や円安の影響などで揺れる、道民の食卓。道産サーモン事業化の先行きにも注目が集まりそうだ。

(北海道文化放送)