石川県といえば海の幸。その自慢の魚を届けたいと、県内の鮮魚店が新たな試みを始めた。"金沢市民の台所"と言われる金沢市の近江町市場に、刺身も買える自販機が登場したのだ。
仕事帰りにも買える!冷蔵&冷凍の魚食品…朝が早い市場の挑戦

2022年5月、近江町市場に店を構えて80年の「大口水産」が設置した3台の自動販売機。「冷蔵タイプ」と「冷凍タイプ」があり、冷蔵タイプには500円のワンコインで買える刺身の3点盛や4点盛などがある。

一方「冷凍タイプ」には、金沢の名物「のどぐろのだし茶漬け」や「昆布締め」などが並ぶ。

観光客だけではなく、地元客もターゲットだ。自販機は近江町市場前のバス停に設置されており、メニューにはフライのセットなど、バラエティーに富んでいる。

しかし、なぜ、鮮魚店が自販機を設置したのか。設置した大口水産の荒木優(あらき・まさる)専務に聞いた。
大口水産・荒木優 専務:
お客様から「近江町市場へ来ても午後4時頃になると何もない」という声があって、我々も頑張らなきゃと思ったのが始まりなんです

金沢市民の台所と呼ばれる近江町市場だが、市場だけ合って、鮮魚店や青果店の営業時間は午前9時から午後5時。夕方になると、ほぼ品薄や店じまいの状態になってしまうのだ。

大口水産・荒木優 専務:
市場全体でこの試みが広がって「市場の商品が仕事帰りにも買える」「夜に来ても近江町はやっているよ」ってなればいいなと思っています
能登の港町でも…"筋トレが趣味"の老舗鮮魚店が新たな一手
能登の港町、七尾市でも鮮魚店の老舗「川端鮮魚」が頑張りを見せている。

この店が新たに開発した商品が、レンジでチンする焼き魚だ。

一食分ずつ密封・冷凍された焼き魚。種類も豊富で、値段は1食330円から。

自然解凍して、電子レンジで約2分温めるだけで、手軽に食べられる。わざわざ魚をさばいたり、焼いた後に調理器を洗う手間が省けるのがうれしい。
気になるのはお味は…?許可をもらって、店頭で試食してみた。

秋末アナウンサー:
おいしい。ふっくら。クオリティーが高い!

しかし、なぜ老舗鮮魚店がこの商品を開発したのだろうか。
川端鮮魚・川端一輝(かわばた・いっき)さん:
魚は筋トレやダイエットなど食事に気を配る方にはもってこいの食材。そして、魚をあまり食べない若い世代にも是非食べて欲しいと思ったからです
実は川端さん自身も筋トレが趣味で、魚の魅力を日々実感していた。だからこそ、低カロリーで高タンパクな魚を多くの人に食べてもらいたいと思い、商品を開発したという。

レンチン焼き魚は、どの商品も塩分が1食1グラム以下になっている。従来のものの半分に抑えるよう気を配ったという。

川端さんが開発したレンチン焼き魚は、全国発送サービス「フィッシュコム」で購入できる。海の幸が自慢だからこそ、石川が誇る魚をもっと身近に、もっと多くの人に。鮮魚店の挑戦は続く。
(石川テレビ)