こちらは、クルミアレルギーが発症した子どもの写真。
唇が大きく腫れている。

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別の子供は目元が赤くなり、かゆくなる症状が現れたという。

急増するクルミアレルギー

6歳の和真君も、このような「くるみアレルギー」がある。
食べているのは、3グラムのクルミが入ったケーキ。医師の管理の下、どれくらいの量だったら安全に食べることができるのか見極める「経口負荷試験」に取り組んでいる。

医師:
喉かゆくない?お腹も痛くない?

前回の試験で0.5グラム食べた時は、喉の奥がかゆくなるなどの症状が現れた和真君。
今回は摂取量を増やしたが、症状は現れず、くるみが少しずつ食べられるようになった可能性があるという。

和真君の母:
子ども同士のお菓子の交換とか食べてしまう可能性も高いので、何をどれぐらい食べたら危険かっていうのを知りたくて

こうしたクルミアレルギーは今急増している。
消費者庁が3年ごとに行う調査によると、その症例数は2021年度は463件あり、9年間で約10倍以上に。

これは、鶏卵、牛乳、小麦に次いで4番目に多く、消費者庁は先週くるみのアレルギー表示を義務化する方針を決めた。

健康食品として多く消費されることが背景に

大学2年生の颯汰さん(20)には、小さい時から数品目のアレルギーがある。

颯汰さん:
パンとかでくるみが入ってるのは避けていることはあるんですけど、やっぱ食べたいなとは思わないですね

小学校入学前に菓子パンに入っていたクルミを食べ、アレルギー反応が出た。
過去には、他のアレルギー品目で、全身に強い症状が急速に現れるアナフィラキシーショックが起こったこともあった。

颯汰さん:
本当に死ぬと思ったんです、その時は。体にめちゃくちゃ発作が出たのと、すごくお腹が痛くて、意識ももうろうとしてきちゃうんです

颯汰さんは日々食品表示をチェックし、自ら体に打てる注射器のセットもなるべく持ち歩くようにしている。

なぜクルミアレルギーが急増しているのか。
食物アレルギーが専門の海老澤元宏医師は、近年、クルミなどの木の実類が健康食品として注目され、多く消費されることが背景にあると分析している。

日本アレルギー学会理事長 国立病院機構 相模原病院 海老澤元宏医師:
必須の食品じゃないんですけれども、こういうふうに広範囲に使われてくると、子供だけの問題ではなくて、実際に成人の方でも木の実類アレルギーの方は結構います

医師によると、クルミなどの木の実類は他のものよりも症状が重く出やすいことがあるという。
不安な方は、医療機関で検査することが大切になる。

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