柏崎刈羽原発の再稼働問題が一つの争点となった新潟県知事選挙。選挙戦での訴えをもとに、柏崎刈羽原発をめぐる現状についてお伝えする。
柏崎刈羽原発の再稼働問題 議論は「検証結果が出てから」
今回の知事選の争点の一つとなった柏崎刈羽原発の再稼働問題。

花角知事:
柏崎刈羽原発。これは県の独自の検証をしっかりと進めます
花角知事:
検証の結果が出るまで、つまり判断の材料が出るまでは再稼働の議論は致しません

再稼働反対を訴えた相手候補に対し、前回の知事選と同様「検証結果が出るまでは再稼働議論はしない」と訴えた花角知事。

花角知事:
「稼働させません」とか「稼働させます」とか決めていたら、この検証いったい何のためにやっているのと

検証を総括する委員会は1年以上開かれず、この検証が終わるめどは立っていないが…

花角知事:
専門家の皆さんなので、専門的に議論を尽くしていただきたい
「脱原発を目指すのは“将来”」…経済界からは再稼働求める声
結果として、70万を超える票を得て再選を果たした花角知事。

出口調査の結果を見ると、再稼働に「反対」「どちらかと言えば反対」と答えた人からも6割の票を獲得していた。

その要因の一つが、「脱原発を目指す」という訴えだ。
花角知事:
県民の安全最優先で、将来的には原子力発電に依存しない社会を目指してまります

しかし、相手候補との違いは「脱原発」が将来目指す姿であるという点。
経済同友会 桜田謙悟 代表幹事:
原子力を併用しつつ、再生可能エネルギーをさらに高めていく。両にらみでしっかりとやっていく。原発を使わないという選択肢はない

ウクライナ情勢の影響でエネルギー資源の高騰が続き、経済界からも原発再稼働を求める声が大きくなるなか、花角知事を支援した自民党も今回の結果が再稼働への追い風になると捉えている。
自民党 茂木敏光 幹事長:
責任を持って、バランスの取れたエネルギーミックス(電源構成)をつくっていかなければならない。単にスローガンのように、何かをゼロにするということについては理解が広がらなかったというのが今回の結果

問題相次いだ柏崎刈羽原発 再稼働議論に向け求められる説明
一方、議論の的となっている柏崎刈羽原発は、IDの不正使用問題や核物質防護設備の不備などが相次ぎ、原子力規制委員会の追加検査を受けている最中。

しかし、この追加検査…
原子力規制委員会 更田豊志 委員長:
いたずらに長い期間をかければいいというものではないと思っていて、年内に一つ、規制委員会としての判断を出せるほうが好ましいと思っている

原子力規制委員会の更田委員長は、こう終了のめどについて発言していた。
ここで東京電力の提出した再発防止策にGOサインが出された場合、再稼働に向けた動きが加速することが予想されるが…
花角知事:
検証を終えて、そして判断の材料を得たのち、しっかり私の考えをお示しする。そして皆さんの考えを、意思を確認させていただく。

花角知事:
一般的に「信を問う」という言葉は重い。一般的な語感からすれば、「存在をかける」という意味合いが強い

果たしてどのような判断を下し、どのように県民に信を問うのか。大きな信任を得て再選を果たした花角知事には、その過程で丁寧な説明が求められている。
その一方で、柏崎刈羽原発で生み出される電力を使用する首都圏などでも、原発の再稼働問題について関心を高める取り組みが必要ではないだろうか。
(NST新潟総合テレビ)