今話題のグルメの映像から、ヒットの理由を探るコーナー「うま撮」。
今回の「うま撮」は、続々と登場している“卵でとじない”カツ丼を調査。今までの常識を覆す、進化した「カツ丼」のヒットの理由とは?

透明な肉汁&厚さ4センチ! 極厚豚肉の“卵でとじない”カツ丼

Instagramでは、カツ丼の投稿が43万件以上。さらに、TikTokでも、多くの動画が寄せられている。

この記事の画像(36枚)

ブームになっているカツ丼、そこにはある特徴があった。

フードジャーナリスト・里井真由美さん:
いま“ふたが閉まらないような、器に入りきらない”カツ丼、そして“卵でとじない”カツ丼、このような進化形のカツ丼が人気になっています

まずは、2022年オープンしたばかりの店「#カツ丼は人を幸せにする」を訪れた。

「とじないカツ丼 極上ロース」2900円。一体、どのようなカツ丼なのか、うま撮する。 

厚さ約4センチもあるカツは、しっとりしていてジューシーだ。

使用しているのは、ブランドの豚肉「TOKYO X」。

この、透明で澄み切った、あふれ出す肉汁。ほのかな甘みとうまみが堪能できる。

食べた客からは、「カツがサクサクでお肉が柔らかくてすごくおいしい」「かみしめるたびに肉汁がジュワジュワ」という声が。

厚みがあるのに火が通っていてジューシー!ポイントは「低温調理」

さらに、厚みがあるのにしっかり火が通り、おいしく仕上げるには、ある秘密があった。

#カツ丼は人を幸せにする オーナー・宮本隆太郎さん:
事前に「低温調理」して、中はジューシーにというのがこだわりです

キーワードは「低温調理」。袋に入れた豚肉を、お湯に長時間つけ加熱している。

そして、180度の高温の油で、カリッとクリスピーになるように揚げていく。すると、外はカリッ、中はしっとりジューシーになる。

また、普通はカツ丼を作る時、カツとタマネギをしょうゆなどで煮込み、その上に溶き卵を落として卵とじにするが…

この店では、和風ベースのだしに卵を入れて加熱。

それをご飯の上にのせる。そして、揚げたてのカツをのせて、仕上げにあまじょっぱいタレをかけて完成だ。

見た目のインパクトと、カツがサクサクのまま食べられるのもヒットの理由だ。

渡邊渚アナウンサー:
ふわっとろな卵が濃厚で、トンカツもカリッと感とお肉の甘さがすごくよく合います

進化形カツ丼が続々…器からはみ出すボリューム感

“卵でカツをとじない”カツ丼を出す店は、他にもあった。
「とんかつ丸七」を訪れると…こちらの「焼きカツ丼(特上)」2400円も存在感がある。
※店内飲食は朝6時ごろから店舗前に出される予約シートに記載が必要(昼夜あわせて48人分)

お肉はしっとりと柔らかい食感で、クセがなく甘い脂身もたっぷり。あまじょっぱいタレとの相性が抜群だ。

また、「ニュー食堂FUKUYA」では、はみ出るカツ丼「FUKUYAカツ丼」1100円があった。

渡邊渚アナウンサー:
わ~スゴい!もうカツがはみ出てる!なにより見た目が美しいです!

この美しさの秘密は? こだわりをうま撮。

器の端にカツ、真ん中には三つ葉とネギ、そして卵、といったキレイな色合いが、人気になっている理由のひとつ。

また豚肉は、厳選したロース肉を使用している。さらに…

ニュー食堂FUKUYA・日笠 和さん:
卵のおいしさもしっかり味わっていただきたくて「マキシマムこいたまご」という、黄身の味の濃い卵を使用しています

パプリカなどの餌で 健康的に育てられた鶏の卵で、黄身の色や味が濃いのが特徴だ。

渡邊渚アナウンサー:
とろっとろで濃厚な卵で、お肉も脂の甘みがしっかりしています

新感覚!3度揚げしたカツに“おじや”さらに“味変”…女性の心をキャッチ

続いては、ミシュランの星付きフランス料理店の元オーナー・大橋直誉さんが手がけるお店「つかんと」。

星付きレストランで培った技術を駆使したカツ丼は、女性を中心に人気を呼び、7割以上が女性客だ。そのカツ丼が、「ロースカツ丼定食」1540円。

渡邊渚アナウンサー:
うわ~!えっ、どういうこと?カツじゃなくて、ごはんが卵でとじられています。もう、ごはんが「おじや」みたいになっています

食べた客からは、「お肉がすごく柔らかかったです」「カツ丼って男飯みたいなイメージがあるんですけど、オシャレな見た目で脂もそんなにしつこくなく、女性でも食べやすい」といった声が聞かれた。

ではこのカツ丼、新感覚の理由をうま撮する。

豚肉は、やはりここでも「低温調理」だ。卵ごはんとカツを一緒に食べると、見た目からは想像できないが、サクサクなカツ丼の味わいになっている。

ポイントは、低温調理した豚肉をさらに…

つかんと・林 優希さん:
高温と低温の油2種類用意していて、お肉の状態を見ながら揚げています

高温(180度)から低温(100度)、さらに再度、高温(180度)に入れてカラッと仕上げる3度揚げ。

そして卵ごはんの「おじや」は、和風だしをベースにしょうゆ、砂糖を調整して加え、カツと合わせて食べたときに「カツ丼」になるよう少し甘めに作っている。

渡邊渚アナウンサー:
お肉がジューシーですごく柔らかいです。ごはんは、あっさりやさしいだしがきいていて、サクサクの衣をまとったカツとすごくよく合います。
あ、テーブルにいろんな調味料が置いてあります

九州のしょうゆやオリーブオイル、ゆずこしょう赤みそにパルメザンチーズ、藻塩、トンカツソースと種類は様々。

では、さらなるおいしさの秘密、味の変化をうま撮する。

まずは、「九州しょうゆ」。

渡邊渚アナウンサー:
あ、甘いおしょうゆだ。このおしょうゆの甘みと豚のうまみがすごく合います

次は、「ゆずこしょう赤みそ」。

渡邊渚アナウンサー:
う~ん!ゆずの香りで後味さっぱりです

「エキストラバージンオリーブオイル」。

最後は、「パルメザンチーズ」。

渡邊渚アナウンサー:
んんお~すごい!一気に洋風にシフトチェンジする。リゾットみたいな風味になっています。豚の脂とチーズのコクが合わさってより深い味わいになります

(「めざましテレビ」5月9日放送より)