小学校の思い出がつまったランドセルを他のものにリメイクしたり、家で眠っていた革製品を修理して再活用する人が増えている。その「再生」の現場を取材した。

捨てるのは忍びない…ランドセルの個性を活かして

広島市西区のランドセルメーカー「土屋鞄製造所」。店内には色とりどりのランドセルが並ぶ。

4月に入り、すでに来年度(2023年度)用のランドセルの予約受け付けが始まっている。土屋鞄が1999年から行っているサービスが「ランドセルのリメイク」だ。

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土屋鞄製造所・富岡裕紀子店長:
最初は1995年に、使い終わったランドセルを観賞用に小さく作り替えるようなミニランドセルを制作したんです。プチヒットしたことで、そのまま正式にサービス化を始めました。

こちらが1999年から制作しているミニチュアランドセル。6年間使ったランドセルの革や付属した金具などを再利用して、ランドセルの個性を活かした仕立てで制作されている。

本物のランドセルと同じようにフタを開け閉めできる本格仕様で、リメイク製品の中で最も人気がある。

この他、ランドセル型のフォトフレームやパスケースなど、リメイクできる製品は合わせて5種類。

2021年からリメイクを始めた「タペストリー」は、使用後のランドセルのパーツをミニチュア化し、錠前の金具など付属品はそのまま額縁に入れたもの。卒業後も形を変えて部屋を彩るインテリアとなる。

また、ペンケースとキーチャームのセットも2021年からラインナップに加わった。全ての革小物は一つ一つ丁寧に手でつくられる。

土屋鞄製造所・富岡裕紀子店長:
ライフステージが変わったお子様が、そのまま使っていただけたり。祖父母様やご両親にプレゼントしていただくのもいいかと思います。

色落ちした革財布がリペアで見違えるように

一方、大切な革製品を長く愛用してもらいたいと、修理をメインとしたサービスを行っている店が広島市中区の「リペアシング」だ。

店内には修理を待つブランドバッグなどが並ぶ。これまで中古販売店など、法人に特化していたサービスを3月から個人向けにもスタートした。

リペアシング・松本唯店長:
依頼内容は汚れ落としとか、気になる擦れ。革が擦れてる部分の修理が多い。

革財布の色落ちした部分を染める作業を拝見。

リペアシング・松本唯店長:
革用の絵の具を使います。

Q黒色の財布と思うが、3色混ぜる?

リペアシング・松本唯店長:
黒でも緑っぽい黒とか、紺色っぽい黒とかがあるので、そこも合わせていきます。

革本来の風合いと商品のブランドイメージを大切に守りながら、手作業で色を重ねていく。すると、角を中心に所々擦れていた革の財布が見事によみがえった。

リペアシング・松本唯店長:
ほんとに破れがひどかったりするもの以外であれば、ひどい擦れとか色がちょっと落ちて褪せてきてしまっているものに関しては、色をのせるだけでよみがえります。

シミや傷の修繕に加えて、色落ちした個所の染め、持ち手の補強、金具部分のメッキ加工など様々なリペアが可能。

コロナ禍になってからは、家で眠っていた革製品をもう一度使いたいという、修繕の依頼が増えた。

リペアシング・松本唯店長:
革製品は、しっかりメンテナンスして使っていれば一生使えるもの。収納する際もビニールとかに入れて、押し入れの奥にしまうのではなくて、風通しをするとか、また使うときに少し傷んでいると思っても、メンテナンスすればすぐキレイになるので、そういうところを気を付けていただければなと思います。

あなたの家にも眠っている革製品はないだろうか。長く使うためにも、手入れをしてみてはいかがだろうか。

(テレビ新広島)

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