国会議員に毎月100万円支給される文書通信交通滞在費、いわゆる文通費を、日割り支給にする改正案が、14日の衆議院本会議で可決し衆院を通過、15日に成立する見通しだ。また、文通費の名称も「調査研究広報滞在費」と変更される。国会関係者からは「ようやくまとまった」と安堵の声があがる一方で、課題は残されたままだ。

文通費は、給与に当たる歳費とは別に、国会議員に毎月100万円支給されるものだが、非課税の上、使い道を公開する義務がないことから、国会議員の「第二の給与」とも揶揄されてきた。去年10月末の衆院選で当選した新人議員らが、在職1日にも関わらず、10月分の文通費満額100万円が支給されたことで批判の声が上がったため、与野党で文通費改革に向けた協議が行われてきた。

初登院する新人議員ら(去年11月 院内)
初登院する新人議員ら(去年11月 院内)
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3点セットVS先行日割り支給

去年の臨時国会での協議では、野党側が「日割り支給」「使い道の公開」「使わなかった分の国庫への返納」という“3点セット”での法改正を求めたのに対し、与党側は「日割り支給」を先行して行う姿勢を崩さなかった。そのため、臨時国会での法改正は見送られ、文通費改革は今の通常国会に持ち越されることとなった。「日割り支給」に関しては、与野党が合意していただけに、国会関係者からは「何で最大公約数が出来ないのか」と怒りの声も上がった。

再び100万円全額支給の懸念から日割りは合意

文通費改革の舞台が今の通常国会に移り、これまでの与野党の国対委員長間での協議から、新たな協議体を与野党で設置して、実務者レベルで協議することとなった。2月から始まった実務者協議では、文通費の歴史的な経緯や性格などが議論された結果、「調査研究広報滞在費」という現状に即した名称に変更された。

さらに4月24日投開票の参院石川選挙区の補欠選挙で当選した議員に再び100万円全額が支給されることへの問題意識から、24日までに「日割り支給」に改める必要性が共有された。実務者間での協議を経て、12日に与野党6党の国対委員長が会談、文通費の「名称変更」と「日割り支給」にする改正案を早期に成立させることで合意した。

しかし野党側が求めていた“3点セット”のうち、「使い道の公開」と「使わなかった分の国庫への返納」については、「今国会中に結論を得る」とした合意がなされ、協議は今後も続けられることとなった。

与野党国対委員長会談(12日)
与野党国対委員長会談(12日)

焦点は「使い道の公開」へ

“3点セット”での文通費改革を主張し、「日割り支給」のみが先行することに反対だった日本維新の会の遠藤国対委員長は「これで終わると、もう政治は終わりだと思う。今の国会で結論が出ない場合は、政治もいよいよ国民に見放されると思う」と釘を刺した。自民党の高木国対委員長も「『結論を得る』というのは法改正を行うということか」との記者からの質問に対して、「もちろんそういうことだ」と述べた。

しかし「使い道の公開」については、「使い道をどこまで認めるか」という線引きの議論も必要なため、「時間がかかる」との指摘もあり、残り約2ヶ月となった今の国会の会期中に法改正を行うのは難しいとの見方もある。

文通費改革の議論は、21日に再開され、「使い道の公開」など残された課題について扱われる。野党からは「来週からが一番大きな山となるが、この山を乗り越えらえられないという気持ちが、こちら側に伝わった瞬間に協議は打ち切る」と改革を押し進めるための強い言葉も聞かれる。

「第二の給与」と言われた文通費の改革はどこまで実現できるのか。国民の納得が得られる内容となるかに注目が集まる。

(フジテレビ政治部 高橋洵)