新学期や新年度は、新しい文房具で気持ちを新たに過ごすのはいかがだろうか。富山のご当地文房具、特産の五箇山(ごかやま)和紙を使った文房具を取材した。
秘境・五箇山で400年以上の歴史「五箇山和紙」
森田麗実アナウンサー:
私が今作っているのは富山の名産、五箇山和紙です。今回はこの和紙が素敵な文房具に変身します
富山県南西部、標高1,000m超の山々に囲まれた南砺(なんと)市の秘境・五箇山で、脈々と受け継がれてきたのが五箇山和紙だ。400年以上の歴史を持ち、「越中和紙」として国の伝統的工芸品に指定されている。
原材料はコウゾという植物だ。繊維が長く、軽くて丈夫な和紙に仕上がる。
和紙の文房具といえば? イメージ覆すカラフルな商品の数々
和紙製品の展示・販売や、和紙のはがき作りが体験出来る「五箇山和紙の里」で働く石本泉(いしもと・せん)さんは、観光客に魅力を伝えながら、和紙を使った文房具など商品開発にも取り組んでいる。
森田麗実アナウンサー:
はがきが完成しました。やはり、文房具といえば、ハガキだったりノートだったり書くものが多いですか?
五箇山和紙の里・石本泉さん:
もちろん、そういった文房具もありますが、今は雑貨などもいろいろ作っています。例えばカードケース、スリッパとか
森田麗実アナウンサー:
カラフルですね
五箇山和紙の里・石本泉さん:
和紙の特徴を生かした、丈夫さと軽さ
和紙のイメージをガラッと変えるような、色鮮やかな雑貨。こちらのカードケースは、富山県立大学で卒業記念品として贈られている。
森田麗実アナウンサー:
何よりも驚いたのは色。和紙って白いイメージがありましたが、カラフルですね
五箇山和紙の里・石本泉さん:
白い和紙に色をのせて、着色しています
富山を思い出し「長く愛してほしい」手作業に込める想い
色付けは、1つ1つが手作業だ。和紙の上にデザイン版を乗せ、へらでインクを重ねれば、鮮やかな市松模様が完成する。
五箇山和紙の里・石本泉さん:
手で染めているので、少しずつずれがあるのが、手仕事ならでは。最初は和紙らしい、自然のイメージで作っていたんですが、そこから脱却というか、和紙のイメージとして今までにはないものを作りたいと思いまして
こうして仕上がったのが、ペンケースだ。平らなフラットポーチは、最近ではマスクケースとしても人気を呼んでいる。市松模様だけでも5種類あり、自分に似合う色が見つけられる。
森田麗実アナウンサー:
和紙ならではの手触りが残っています。そしてなんといっても軽い
五箇山和紙の里・石本泉さん:
このしわしわしているのは、さらに強度を上げる「揉み紙」という技法で、さらに和紙を強くしています。手になじんで、最初は固いですがどんどん柔らかくなっていきます
森田麗実アナウンサー:
自分の思い出と共に、このポーチも変化していくんですね
色鮮やかで、軽くて丈夫な五箇山和紙の文房具。地元を離れても、長く愛してほしいという石本さんの願いが込められている。
五箇山和紙の里・石本泉さん:
長く使うものなので、これから使う人にも、その感覚で使っていただけると。普段から使うものなので、使うときに(富山を)思い出していただけると嬉しい
(富山テレビ)