季節外れの暑さが続く日本列島。岩手・宮古市や釜石市などでは4月11日、最高気温が30℃を超え、全国で今年初の真夏日となった。

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東京都心の最高気温は24.7℃。日差しが強く、街の人の服装も薄手の服が多かった。この暖かさとともに増加傾向に転じつつあるのが、新型コロナウイルスの新規感染者数だ。

11日、都内で確認された新規感染者数は4562人。5日連続で前の週の同じ曜日を上回った。一方で週末の観光地には人が戻りつつありる。

観光地では食べ歩きも…行動制限に賛否

京都からの観光客:
とりあえず浅草へ行ってみようと。

東京からの観光客:
今日はすごく天気がよくて。浅草はまだ来たことがなかったので。

この通りでは本来、マスクを外した食べ歩きは禁止されている。しかし、マスクを外して食べ歩きをする人や”昼飲み”を楽しむ人の姿があった。

”昼飲み”をしていた人:
ビールです。昼から休日を満喫しています。

――人出が多くて不安では?

”昼飲み”をしていた人:
活気がある方が楽しいし。

政府内でも二分 感染再拡大に懸念

一方、第7波が強く警戒される中、今月末に控えるゴールデンウィークへの対応が焦点となっている。政府分科会の中でも、今後の対策について意見が分かれていた。

政府分科会 尾身茂会長:
医療ひっ迫が改善するまで、社会経済活動はやはり制限すべきだという意見がある。一方で、自発的な行動変容があるため、社会経済活動を制限しなくても、ある程度うまくいくのではないか、そうすべきではないかという意見もある。

7日には、沖縄県の玉城知事が「感染拡大に歯止めがかからなければ、外出などを自粛せざるを得なくなるかもしれない」と発言している。

街の意見も様々だ。

女性:
行動制限をしても状況は良くならないので、それなら経済を回した方がいいと思う。

男性:
一つの意見が出るより(行動制限しつつ)複数あった方がいいかなと思います。

専門家はデータを示し、政治家は判断を

加藤綾子キャスター:
ウイルスとの向き合い方も変わってきているような印象を受けます。新たな変異株が出てきた場合にはまた違うと思いますが、今は以前ほど重症化リスクも高くないとされていますし、これまでと同じ対策を打つのはどうなのかなと思うのですが、いかがでしょうか。

橋下徹氏:
これまでの政府の専門家会議は、ちょっと政治家の役割を担い過ぎたと思いますよ。感染症対策において、感染症を抑え込むために社会経済活動を抑えるのか、そうじゃなくて社会経済活動の方をきちっと回していくのかというのは、政治判断なので。専門家がやるべきことは、「社会経済活動をこれぐらい抑えたら、これぐらいの効果がありますよ」ということをデータで示すことですよね。ところが、これは政治家がきちんと判断できなかったところも理由なんでしょうけれども、専門家会議がどうも今まで国家の方針を決め過ぎたところがあると思います。

橋下徹氏:
尾身会長たちは一生懸命やっていたと思うんですが、これからは何も専門家会議で国家運営の方向性を一つに意見をまとめる必要はない。データをいろいろ出して、いろいろ選択肢を見せながら、最後は政治家に判断してもらう。専門家会議が一つの意見でまとめるんじゃなくて、複数の案を出して政治家に決めてもらう、これでいいと思います。責任は政治家が負う。これは正解がわからない話なので、最後は政治家の総合判断、政治的なある意味”勘”みたいなところも必要だと思います。

加藤綾子キャスター:
その行動制限はどうなのかという話も出てきます。そこについてはいかがですか。

橋下徹氏:
今、専門家会議で議論されていること、いろいろなデータを見る限りは、僕の個人的な意見としては、中途半端な行動制限ではそれなりの効果は出ないだろうと。中国のように「ゼロコロナ」を目指していても感染者は出ています。増えています。

橋下徹氏:
だから、確かに一定の効果があるのかもわからないけれど、その中途半端な行動制限とそれだけの社会的な弊害を生じながら、それに見合うだけの効果はないと思うので。もうあとは医療とワクチンでしっかりサポートして、通常の社会に戻していった方がいいと思います。世界各国もそうしていますから。

(「イット!」4月11日放送)