従来のものと比べて重さは5分の1。従業員が喜び、地球にも優しいマネキンが登場した。

伝統守り世界発信へ

80年以上の歴史を持つ、マネキン人形の制作会社「トーマネ」。

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4月から施行されたプラスチック資源循環促進法に合わせ、業界の常識を変える特別なマネキンを制作した。

素材として使われたのは、茨城・常陸大宮市の無形文化財「西ノ内和紙」。

マネキンを処分する際に廃棄されるプラスチックの量を大幅に減らせるうえに、和紙で制作した部分は一部再利用も可能。地球に優しいマネキンになっている。

和紙ならではのメリットは、ほかにも…

トーマネ・岩下久起代表取締役社長:
和紙マネキンのワルツを使ってもらうと軽いので、通常のマネキンに戻れなくなります。アパレルの方々は何回も洋服を着せ替え、その度にこれを持ち上げることになりますから。和紙マネキンは片手で持てますので、そういった意味では非常に作業性とかが良い

通常の強化プラスチックで制作されたマネキンの重さは8kgほどで、輸送や組み立ては重労働だった。一方、和紙マネキンはおよそ1.6kgと5分の1の重さのため、その負担も軽減される。

また、製造過程で使われることの多い有機溶剤を一切使用しないため、作業中に中毒や疾病を引き起こすリスクも抑えてくれるなど、和紙マネキンは従業員にも優しいという。

代表の岩下さんは、和紙マネキンが地方創生のきっかけにもなると期待を寄せている。

トーマネ・岩下久起代表取締役社長:
わたしたちの倉庫がたまたま茨城県にあって、非常に強度が高い和紙を手すきで作っている無形文化財の西ノ内和紙があり、挑戦を続けてまいりました

トーマネ・岩下久起代表取締役社長:
和紙ってものすごい10年レベルの修業が必要で、なかなか人を雇えたからといってすぐにどうにもならないようなんですね。日本の良き文化である和紙を、わたしたちが商品を作ることで継続できれば、この無形文化財を世にアピールするきっかけになるかと。メイドインジャパンとして世界に発信していきたい

(「Live News α」4月7日放送より)