秋篠宮ご夫妻は2年3カ月ぶりに地方訪問へ
一方、秋篠宮家も、長男悠仁さまの高校入学を控え、新たな気持ちでこの春を迎えられている。ご夫妻にとってお子さまの高校入学は姉の佳子さま以来12年ぶり。佳子さまも小室眞子さんも学習院女子中等科から高等科への内部進学だったため、キャンパスも友人も変わらなかったが、悠仁さまは外部の高校への進学となるため、新たな環境への不安や期待もより大きいのではないだろうか。

お代替わりに伴い皇位継承順位1位の「皇嗣」となり、おととし11月に「立皇嗣の礼」を終えられた秋篠宮さま。本来、「立皇嗣の礼」を終えると速やかに皇室の祖先とされる天照大神を祀る伊勢神宮や、初代天皇とされる神武天皇陵、昭和天皇陵、明治天皇陵に報告の参拝をされるのだが、コロナ禍で「立皇嗣の礼」自体の開催も半年以上、遅れた上、移動を伴う参拝も実施できないままとなっていた。


完全な感染の収束がなかなか見通せない中、4月20日頃は比較的感染者数が落ち着いているとの専門家の予測を踏まえ、20日から3泊4日の日程で伊勢神宮、神武天皇陵、明治天皇陵などを参拝されることが決まった。ご夫妻揃っての地方訪問はおよそ2年3カ月ぶりでコロナ後初めて。コロナ禍での訪問にあたり、現地での感染拡大を防ぐため、直前にご夫妻も同行する職員もPCR検査を受けて陰性を確認するほか、駅周辺に人が多く集まり密になることを避けるため鉄道の利用を控え、東京から三重、奈良、京都と車で移動されることになった。
移動距離は約800キロにも及ぶが、感染拡大を起こさないためのご夫妻の選択でありお心遣いとも言える。今後の感染状況次第では、再度延期の可能性もあるが、現時点でできる限りの工夫をしながら皇嗣としての節目の参拝を果たそうとされている。
悠仁さま「門出の春」
12年間通ったお茶の水女子大学のキャンパスに別れを告げ、筑波大学附属高校に入学された悠仁さま。側近幹部によると、春休みは高校から出ている各教科の課題に取り組まれているという。お茶の水女子大学附属中学校での3年間、塾に通わず自主的に学習し、最優秀グループの成績という提携校進学制度への推薦条件をクリアして筑波大附属高校に合格された悠仁さま。筑波大附属はお茶の水女子大学から通りを渡ったすぐ隣にあり、通学経路はほぼ変わらないものの、学校生活の中身は大きく変わることになる。

筑波大附属高校は一学年の定員が240人、うち3分の2が附属中学校からの内部進学で、3分の1に当たる80人ほどが高校から新たに入学するという。様々な行事などを通じて内部生、外部生の垣根は無くなっていくというが、まずは多くの同級生と友人関係を築くことが課題となりそうだ。これまでお茶の水の中学校では男子生徒は全体の約10分の1と少数派だったが、筑波は男女ほぼ同数で、悠仁さまにとっては学内の雰囲気もこれまでとは大きく違って見えることだろう。

筑波大附属高校にはボート、陸上、水泳などの運動部、かるたなどの文化部、また全国高校生クイズの常連のクイズ研究会などもあり、クラブに入らないいわゆる“帰宅部”も可能。また、行事ごとに作られる委員会も個性的でとても盛んだという。高校生活を左右するとも言える部活動や委員会の選択にも注目が集まる。

私服通学で髪のカラーリングも自由なため、一部のネットなどでは悠仁さまの登校ファッションに注目する向きもあったようだ。卒業生に聞いてみたところ、制服風のアイテムを着ている生徒もいれば、デニムにTシャツなどのカジュアルスタイルの生徒も居て服装の幅は広く、派手な学生はあまり見当たらなかったという。これまで拝見したことのある私服姿はチェックのシャツにチノパンといったスタイルだったが、悠仁さまが入学後ファッションの面で大きなカルチャーショックを受けることはなさそうだ。
『自主・自律・自由』の校風のもと、どのような私服で通学し、どんな部活動や委員会を選び、友人関係を築いて学校行事や学習に取り組まれるのか。悠仁さまにとって、この春は、新たな環境に不安と期待を抱きながら、多様性の中でご自分のスタイルを見出し、高校生活の基盤を築かれる大切な時期となりそうだ。(2020年の新年向けの天皇ご一家の写真を使用しています。眞子さま当時の画像も含まれます)
(フジテレビ社会部・宮内庁担当兼解説委員 宮﨑千歳)