岸防衛相は1日、新たに防衛省に入省した職員への訓示の中でロシアによるウクライナ侵攻を強く非難した。近年の訓示でロシアを名指しするのは、異例のことだ。
岸防衛相は防衛省入省式で訓示を行い、「ロシアがウクライナを侵略している。国際平和の維持に大きな責任を持つべき国が、公然と他国の国土を踏みにじり、罪のない民間人の命を奪う事態が発生している」と述べ、ロシアによるウクライナ侵攻を強く非難した。

また岸防衛相は「力による一方的な現状変更の試みは、ロシアのような侵略の形ではないにせよ、アジアでも見られており、国際秩序の根幹を揺るがす行為だ」と指摘した。沖縄・尖閣諸島周辺で海洋進出を強めている中国を念頭においたものとみられる。さらに「安全保障において、楽観的な見方が通用しない、常識や良識を超えた時代に突入しているといっても過言ではない」と強調した。
今年の防衛省の入省式は新型コロナ対策のため、出席者は80人に絞られ、岸防衛相はビデオメッセージで訓示を寄せた。