AI(人工知能)が、デザインの最適解を導く。

消費者に好まれるデザインを生成

飲み物のパッケージが次々と生み出されるこのシステム。実は、デザインしたのはヒトではなくAIだ。

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その名も「パッケージデザインAI」は、消費者から見たデザインの評価や消費者に好まれるデザインを作るというサービス。

まずは、デザインの評価を4枚のサンプルで実践してみることに。

画像を取り込んで、評価してもらいたい年齢層などを設定。すると、数秒でAIが好意度評価を5段階で予測してくれる。

赤いベリーが印象的なデザインが20代女性から最も好意度が高いとはじき出された。

そして、デザインのどこが好意度につながるかを可視化した画像では、デザインの個性や強みといった好意度につながるポイントほど赤く表示される。

今度は、デザインの生成へ。男性40代に好まれるお茶のデザインを作ってみる。

背景や商品名など検討中のデザイン画像を取り込んで設定すると、数分後には次々と画像が生成される。

デザインの評価と生成を繰り返しながら1時間で約1000案作ることができ、「高級感」などのキーワードを選ぶとその特性を反映した絞り込みも可能だ。

プラグ・小川亮社長:
デザインのAIは、半年ごとにデザインの市場調査結果を学習させています。なので『今に近い消費者の評価』が盛り込まれているAI。「これを基にして」「もっとこうしたら」ということをデザイナーとマーケターとの間で議論してもらいながら、より良い、目的に合ったデザインに近づけていくことができる

開発したプラグ社は、リサーチ会社とデザイン会社の合併で生まれた企業。

その強みを生かし、これまでに行った消費者調査920万人分のデータがAIに蓄積されていて、その情報を基に最適なデザインを導き出す。

プラグ・小川亮社長:
商品開発の中では、消費者がどう思うか、最終的に消費者がどう評価してくれるかは非常に大事なプロセス。ただ、ここに今非常に時間とお金をかけているので、そこにAIが代替できる可能性がある。いち早くAIを取り入れ、開発のプロセスも新しいものに変えていける企業が今後、伸びていくんじゃないかと思う

固定観念なし 空気を読まない強み

Live News αでは、マーケティングや消費者行動などを研究している一橋大学ビジネススクール准教授の鈴木智子さんに話を聞いた。

三田友梨佳キャスター:
AIが進化し続けていますが、デザインの分野で人はAIとどう付き合っていくのが理想的でしょうか?

一橋大学ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
AIにクリエイティブな仕事を奪われてしまうというのは誤解で、しんどいところはAIに任せることで人が本来の力をもっと発揮できる機会が広がるはずです。現時点ではAIを人工知能ではなく拡張知能ととらえればよく、AIはあくまでも人をサポートしてくれる存在です。AIを活用する最大のメリットはスピードアップと最適化にあります。今回の試みはデザインの話ですが、AIと一緒に仕事をすると正解と思われるデザインにより早く、より多く、そしてより安くたどり着くことができます

三田友梨佳キャスター:
AIの導入というのは経験豊富なベテランの方がチームに入ってくれる、そのようなイメージに受け止めてもいいのでしょうか?

一橋大学ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
それでいいと思います。新たな戦力が加わると言っても、人間関係に気を使わずに済むのがAIのいいところかもしれません。さらに、ブランドの歴史が長い場合、人は過去の成功体験に引きずられてしまったり、あるいは会社や上司の意向を感じ取ってしまうなど本来の才能を生かせないケースがあります。しかし、AIには固定観念や空気を読む能力などはありません。また、人は自分の感性を超えたアイデアの創出は難しいものですが、AIであればとっぴな組み合わせによる斬新な提案をしてくれることがあります。そして、調整を加えたり、提案されたいくつかのパターンを絞っていく、この最後の詰めの部分でいよいよデザイナーやマーケターの感性が求められる場面となります。すると、ブランドのらしさを守りつつも新鮮さを吹き込むことができる、そしてブランドが活性化し続けることが可能となります

三田友梨佳キャスター:
人にしかできない仕事というのはやはりたくさんあると思いますが、AIの分析力、データは人の可能性をも広げてくれるのかもしれません

(「Live News α」3月31日放送より)

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