5年前、神奈川県大井町の東名高速で起きた、あおり運転死傷事故で、危険運転致死傷などの罪に問われた石橋和歩被告(30)の差し戻し裁判が、3月30日横浜地裁で開かれた。
検察側は「危険運転罪」の成立を主張し、石橋被告に懲役18年を求刑した。

この事故は、2017年6月5日、神奈川県大井町の東名高速で、石橋被告が車を運転中に、萩山嘉久さん(当時45)の家族4人が乗ったワゴン車に、あおり運転を繰り返し、高速道路上に車を停止させたとされるもの。
後続のトラックが、現場に突っ込み、萩山さんと妻の友香さん(当時39)が死亡し、娘2人が負傷。石橋被告もケガをした。

石橋被告は、これまでの裁判で「自分は事故になるような危険な運転はしていないし、人がけがをしたり、亡くなったりする事故はしていない」として、「危険運転罪」については無罪を主張。
また「相手の車が減速して止まって、自分も減速して止まった。相手が先に止まった」と事故当時の状況を説明し、萩山さんの車を高速道路上に停止させたことを否定した。

この事故をめぐっては、2018年、横浜地裁が危険運転罪を認定して、石橋被告に懲役18年の判決を言い渡した(求刑・懲役23年)。
しかし、控訴審で東京高裁は、裁判の手続きに違法な点があったとして、一審判決を取り消して、審理を差し戻した。このため、今年1月から、横浜地裁で”異例”の裁判のやり直しが始まっていた。
