燃料費の高騰で銭湯も苦しい状況に追いやられている。そんな中、新しいスタイルの銭湯を取材した。

燃料費1.5倍。新たな戦略“泊まれる銭湯”

東京・墨田区にある、1932年創業の老舗銭湯「黄金湯」。

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その銭湯が3月24日から始めたのが宿泊施設
2階を改装して8部屋作り、“泊まれる銭湯”として営業を始めた。

その理由が地下にあると言い、案内されたのはボイラー室。

黄金湯 新保朋子店主:
燃料の効率はいいボイラーを入れているんですけど、それでも(燃料代が)高騰しているので。

黄金湯には44度のお湯が入る風呂「あつ湯」の他に、「薬湯」や「炭酸泉」の3種類があり、すべてガスを燃料としたボイラーで温めている。

ボイラーは2年前に交換したため効率的だというが、それでもガス代が大きくのしかかっている。

黄金湯 新保朋子店主:
(燃料費は)昨年に比べて1.5倍は上がっている。

2021年の同じ時期よりも1.5倍に増えた燃料代。入浴料は東京都で決められているため、店の判断で値上げもできない。

黄金湯 新保朋子店主:
今後、ガスの代金とかも2倍になったらどうしようかなという懸念がある。

コロナ禍で「朝湯」も開始

そこで、新たな収入源として「宿泊サービス」を始めた。

宿泊客は銭湯が空いている時間はお風呂もサウナも使い放題。この週末は5人が利用した。

宿泊客:
すごくきれいだし、泊まるとサウナも一緒に入れて、実質入浴とサウナで1000円分くらいかかるので、また来たい。

また、入浴時間を4時間早い、午前6時スタートに変更。コロナ禍で夜型から朝型に生活が変わった人たちに来てもらいやすくした。

利用客:
朝から(お風呂に)入って、ぜいたくなみたいな感じで好きです。

黄金湯 新保朋子店主:
銭湯を残すためにも、いろいろと挑戦していかないといけないと思っている。

この苦境はアイデアで乗り越えていくしかないと話している。

(「イット!」3月28日放送分より)