宮城県と福島県で震度6強を観測した地震と停電に続いて、3月22日の電力ひっ迫問題も重なり、身の回りの備えを見直す動きが出始めている。

この記事の画像(9枚)

灯油の注文が通常の3倍に

22日に「電力需給ひっ迫警報」が発令され、政府がさらなる節電を呼びかけた。

午後7時ごろ、東京・狛江市のホームセンターでは寒空の下、灯油を買い求める人の姿が多く見られた。

灯油を購入した50代女性:
寒いので灯油を買いに来ました。この間も地震のときに停電になって、真っ暗になっちゃったので。

灯油を購入した60代男性:
家中の冷蔵庫やら家電とか、電気がストップしてしまうと困りますので。灯油で暖をとるというか、そういう備えをしようと思って。

本当に停電したら暖を取れないと、22日はいつもの約3倍の人が灯油を買っていった。普段は1日に数件だけだという灯油の配達注文も20件ほどに増えたという。

さらに、持ち運びができる電源を買う人も。

携帯用電源を購入した男性:
仕事でどうしてもパソコンが使いたくて。午後8時から停電になるかもって聞いたんで、ちょっと急いで来ました。暖房は使わずこうやって厚着すればいいんで、そこは節電できるんですけれども。

他にもカイロの取り置きを頼む電話があるなど、停電・節電に備えて商品を求める人が多く、店側は一時、倉庫にしまっていた防災用品を店頭に並べ直すなど対応に追われた。

11ケタの携帯番号を“目で覚える”

電気が使えないと携帯電話の充電が切れてしまうことも考えられるが、そんな時、大切な人の電話番号を思い出せるだろうか。

40代女性:
実家の電話番号しか分からない。

70代女性:
自分以外は主人の電話番号も覚えていない。携帯がなくなったら、電話を掛けられないかも。

NTTドコモが被災経験者を対象に行った調査では、2人に1人が家族や恋人など、災害時にかけたい携帯番号を覚えていなかった。

この調査を受けNTTドコモは、いざという時に携帯番号を思い出しやすくするサービス「愛の備え11ケタ」の提供を3月8日から始めた。

このサービスでは、スマートフォンで11桁の数字を押す流れを見えるようにし、携帯番号自体を目で覚えられるようになっている。

この方法だと単純なマークのように表示され、指が自然と覚えてくれるという。また、音声ガイドの読み上げで耳でも記憶できる。電話番号を入力すれば繰り返し練習が可能だ。

NTTドコモが行った覚えやすさの検証では、何もない状態で暗記するよりも1.2倍覚えやすかったという。

電話番号を入力すれば、繰り返し練習することができる。電話はかからないので相手に迷惑を掛けることもない。

11ケタの記憶を体験した30代女性:
覚えやすいと思う。まず旦那さんの番号を覚えます。

いつ何が起こるかわからない災害のために、さまざまなシーンで“もしもの備え”が大切だ。

(「イット!」3月23日放送分)