天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが3月17日、成年皇族として初めて記者会見に臨まれました。

約30分に及んだ会見中はほとんどメモを見ずユーモアを交えて、愛子さま独自の表現で語られました。一体どのような準備して臨まれたのでしょうか。

「ユーモアかつ丁寧」に語る愛子さま

淡いグリーンのツーピースという装いで姿を見せられた愛子さま。初めての記者会見の冒頭で述べられたのは、前日の地震についてでした。

愛子さま
まず、お答えに先立ちまして昨夜の地震により、亡くなられた方がいらっしゃると伺いまして心が痛んでおります。ご遺族の皆様と被災された方々に心よりお見舞い申し上げます

16日の夜、宮城県と福島県で震度6強を観測した地震について、被災者にお見舞いの気持ちを示されました。

冒頭のお言葉について、フジテレビ皇室担当の橋本寿史解説委員はこう話します。

フジテレビ皇室担当 橋本寿史解説委員
今回、実は、10分強、会見のスタート時間がずれたんですね。ですから、あの冒頭で地震の被害に対しての思いというのも述べられていますので、本当に直前まで推敲を重ね、そして、どのような言葉で伝えればいいのか、ということをお考えになられていたのだと思います

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10分ほど会見のスタートが遅れたといいます。そして、成年皇族の仲間入りをしたことについてはこう述べられました。

愛子さま
昨年12月1日に成年を迎えまして、まずは二十歳という節目を無事に迎えることができましたことを嬉しく思っております。誕生日当日は、成年を迎えたという実感がまだあまり湧いておりませんでしたが、12月5日の成年行事の折に、天皇陛下より勲章を親授していただきまして、初めて身に着けた時に、勲章の重みをひしひしと感じて、身の引き締まる思いがいたしました

新年祝賀の儀など、成年になって初めて臨まれた皇室の儀式では、緊張する場面もあったといいます。そして、質問は私的な部分にも及び、自身の性格についても明かされました。

愛子さま
私の性格は、友人や周りの方からは、「穏やか」であったり、「無邪気」と言われることが比較的多いような気がいたします。長所は、自分ではなかなか気付きにくいものでございますけれども、事前にこのご質問を頂いたのでじっくりと考えてみまして、強いて申し上げるなら、「どこでも寝られるところ」でしょうか。以前、栃木県にある那須の御用邸に行き、その着いた晩に、縁側にあるソファーで寝てしまい、そのまま翌朝を迎えた、なんてこともございました。短所といたしましては、今のエピソードからお分かりかもしれませんが、自由に伸び伸びと育ったようで、「少しマイペースな部分があるところ」だと自覚しております。また、小さい頃から人見知りのところがございますので、これから頑張って克服することができればと思います

ユーモアを交え、丁寧に話される愛子さま。さらに、ご両親である天皇皇后両陛下について質問が及ぶと。

愛子さま
両親との思い出といいますと、やはり私の学校の長期休みに出掛けた旅行のことが真っ先に思い浮かびます。どの旅行も非常に思い出深いものでございますけれども、静岡県の下田市にある須崎御用邸に行き、海で泳いでいる時に、きれいなお魚の群れを発見して皆で観賞しましたり、また、須崎はほとんど波のない穏やかな海でございますけれども、サーフボードを浮かべて、そこに3人で座る挑戦をして、見事全員で落下した思い出など、お話しし始めると日が暮れてしまうかもしれません

ご家族で楽しむ様子が目に浮かぶ、この愛子さまの表現力について、橋本解説委員は、背景をこう解説します。

フジテレビ皇室担当 橋本寿史解説委員
愛子さまらしいというか、愛子さま独特の表現をされているような部分というのはあると思います。やはり、平安文学がお好きでいらして、そういった古典のようなものをいろいろと勉強されているということもあり、いろいろな表現方法というものも目にされているということがあるのではないでしょうか

一方で、映像を改めてみてみると、手元にメモは確認できるものの、そこに目を落とすシーンはほとんどありません。愛子さまは、どのような準備をして臨まれたのでしょうか。

天皇陛下から伝授「緊張しない方法」

フジテレビ皇室担当 橋本寿史解説委員
言葉を選んで、メモもご覧にならないで本当に言葉をひとこと一言、事前に作られた文章を暗記しながらお話をされていた

ご自身で考えを重ね、天皇皇后両陛下に相談しながら、暗記して臨まれたといいます。

フジテレビ皇室担当 橋本寿史解説委員
初めての記者会見ですので、どのようにして臨むかご両親からアドバイスがあり、リハーサルも当然され、そこをどうすればいいのかというような、ご両親とやりとりをした上で、今回の記者会見に臨まれています

愛子さまは会見前、陛下から“緊張しない方法”を伝授されていました。

愛子さま
父から聞きましたのは、聞いてくださっている皆さんの顔、お一人お一人の顔を見ながら、目を合わせつつ、自分の伝えようという気持ちを持って話していくというのがコツだというふうに、他にもございますけれども、そのようなことをいろいろ教えていただきました

そして、特徴的だったのは、事前に知らされていなかった質問に対する答えだといいます。

フジテレビ皇室担当 橋本寿史解説委員
ウクライナの問題に関しても、陛下のおっしゃられた言葉というのを、もう一回引用して述べられたりですね

“予定なし”の質問にも対応 「雅子さまの言葉」をなぞらえる場面も

愛子さま
(天皇陛下の)お誕生日のご会見では『国と国との間では、様々な緊張関係が今も存在しますが、人と人との交流が、国や地域の境界を越えて、お互いを認め合う、平和な世界につながってほしいと願っております』というお考えを示されましたが、私もこのお考えと同じ思いでおります

さらに、他にも予定になかった質問には、両陛下に、どんな言葉を伝えたいかという問いもありました。

愛子さま
母の『生まれてきてくれてありがとう』という言葉に掛けて、私も『生んでくれてありがとう』と伝えたいと思います

「生まれてきてくれてありがとう」誕生後の会見で、雅子さまが目に涙を浮かべながら話された言葉になぞらえて、思いを語られた愛子さま。

成年皇族として初めて臨まれた記者会見は、その言葉だけでなく、装いも注目されました。

“愛子さまらしさ”装いのポイントは「袖口」

歴史文化学研究者 青木淳子さん
洋服の色って言うのは、黄色に近い薄い若草色と言っていいんじゃないかと思います。デザインなんですが、テーラードカラーなんですけれども、やはりあの成年式の時と同じように襟先が丸くなっている柔らかい印象ですね

皇室ファッションに詳しい青木淳子さんによると、ジャケットは、愛子さまがよく着用されているテーラードカラーで、2021年12月に披露されたローブデコルテと同じように、襟が丸くなっているデザインだと言います。

歴史文化学研究者 青木淳子さん
愛子さまらしさというと、今回は袖口。ちょっと丸くカットしたような布がついていてワンポイント的なかわいらしさというのが、あのデザインの中に見ることができるなと思います

同じく、成年会見に臨んだ小室眞子さんや、佳子さまとのファッションとも違いがあるといいます。

歴史文化学研究者 青木淳子さん
眞子さんや佳子さまのお洋服の素材というのはいかにもシルクっていう印象の光る素材なんですね。ところが、今回の愛子さまの着用された衣服の素材はそういう光るものではなかったので、それだけ私たちにとっては親近感が湧くものなんじゃないかというふうに思います

親近感を持つ装いだったと青木さんは分析します。会見で、愛子さまは、皇室の一員としてのあり方を、こう話されています。

愛子さま
皇室は、国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にしながら務めを果たす、ということが基本であり、最も大切にすべき精神であると、私は認識しております。「国民と苦楽を共にする」ということの一つには、皇室の皆様のご活動を拝見しておりますと、「被災地に心を寄せ続ける」ということであるように思われます

両陛下の被災地に寄り添う姿を見てきた愛子さま。そのお気持ちが受け継がれていました。

愛子さま
そういった苦難の道を歩まれている方々に思いを寄せ続けるということも、大切にしていくことができればと思っております

(「めざまし8」3月18日放送より)

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