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京都の老舗が「観光客頼み」から「地元シフト」へ…あぶらとりがみ有名店が地元民向け"ハンバーグランチ"
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京都の老舗が「観光客頼み」から「地元シフト」へ…あぶらとりがみ有名店が地元民向け"ハンバーグランチ"

関西を代表する有名観光地、京都の観光が転換期を迎えている。
京都市の宿泊客数の推移は年々伸びていたが、コロナ禍に見舞われた2020年から激減。
2021年は外国人観光客が「ほぼゼロ」となるなど、深刻な影響が出ている。

しかし、この機会を有効に活用して、京都を代表する有名店が様々な秘策を生み出していた。
それは、地元・京都の人に向けて商品やサービスを売り込もうという、いわば「地元シフト」。
その狙いを取材した。

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観光客が激減…京都で進む「地元シフト」

薄田ジュリア・キャスター:
美味しそうなパンが並んでいます。実は私が今いる場所、パン屋さんではなく、千枚漬けで知られる、『京つけもの西利』さんの店内なんです

西利は2021年の11月中旬、西本願寺前の本店を改装オープン。
以前は観光客向けにビュッフェ形式で漬物を提供していた2階を大幅にリニューアルし、漬物以外の商品を並べたほか、料理教室などができる新たなスペースに。

薄田ジュリアキャスター:
2階はまたちょっと違った雰囲気のフロアです。野菜の乳酸発酵ポタージュ…おしゃれですねぇ。甘麹チョコレート…スイーツも。ここって、お漬物屋さんですよね

西利 平井誠一社長:
『発酵』をキーワードに、様々な食の提案をさせていただこうと思って、チョコレートも

西利では、すでに2020年から漬物で使う甘麹を使ったパンを社内で製造して販売してきたが、商品ラインナップをさらに拡大。
今はチョコレートなどにも展開して、本店の2階で試食できるようにした。
甘麹はソフトクリームにも使われていて、西本願寺を眺めながら食べることもできる。

ここではもともと、漬物の試食販売をしていて、団体バス旅行客でごったがえしていたそうだ。
今回、リニューアルした狙いとは…

西利 平井誠一社長:
いやぁもう、コロナになってすぐの時は、観光地のお店なんかは80%ダウン。商売の原点をもう一回しっかり見つめ直すいい機会をいただいた。
今観光が、コロナで形が変わってきている中で、お一人お一人に寄り添う形で様々なサービスが提供できないかと。ここが発信源となって、商品が広まってくれたらいいなと。売上げとは切り離した形で考えています

他にも、漬物を使った料理教室ができるスペースや地元客向けにぬか漬けの講座など、様々な「地元シフト」のサービスを進めている。
お客さんの反応は…

地元客:
(コロナ前は)観光客の方がいっぱい来られたんですけど、僕ら地元の人はなかなか入ってこなかったので、こういう貴重な時間を頂いてよかったなと思いますね

地元客のニーズに寄り添うことで、昔からある漬物の売上げにも波及効果がありそうだ。

柔軟な売り方でヒットにつなげる新発想

薄田キャスター:
眼科専用駐車場に人が集まってますよ、なんだろう…。ケーキ、移動販売中?しかも京都北山マールブランシュって、『茶の菓』で有名な…

京都のお土産、抹茶のラングドシャ「茶の菓」で知られる人気の洋菓子店マールブランシュ。
そこが始めた移動販売は、午前11時のオープンから客が絶えない。
2020年7月に始めると、すぐに人気に火がつき、2月末時点で180回も開催している。

移動販売ではモンブランなどのケーキが特に人気で、売れ行き好調を受けて、2021年に軽自動車から大きな車に乗り換えた。
当初と比べ、売上げは3倍以上となっている。

ロマンライフ 広報 横井彩夏さん:
私達の想像以上に、こっちにも来て、あっちにも来てとお声がありまして。ケーキとかお菓子って生活必需品ではないですけれども、やっぱり毎日の暮らしを豊かにするような、幸せになるための必需品になるものだなと、新たな気づきが私達にもありました

店に呼ぶのではなく、店から客のもとへ出向く発想の転換でヒットにつなげたようだ。

さらに、京都駅前の地下街でも…

薄田キャスター:
こちらがお土産売り場ですね、京都の有名なお菓子屋さんの売り場が並んでいます

2021年7月にリニューアルした京都駅前地下街・ポルタの売り場には、箱売りではなくバラ売りのコーナーが登場。
観光客のお土産だけではなく、地元客が日常的な買い物で立ち止まるのを狙う戦略で、観察していると多くの人が足をとめている。

客:
ちっちゃなサイズで売ってくれると試してみたい。手に取りやすいと思います

京都ステーションセンター 藪章代常務:
地元客の売上げシェアが6%くらいしかなかったんですけれども、改装してから13%に増えています。店に足を運ぶというよりも、足を止めてくださるようになりました

さらに売り場の一角では、『よーじやカフェ』で人気のクレープを、持ち帰り用の「つつみ」として2月に新発売。
家でも食べたいというニーズに答えた形だ。

よーじや社長「ロゴマークに依存した商売してた」

また、『よーじや』の祇園本店前でも意外な看板を発見…

薄田キャスター:
“よーじやが本気で作ったハンバーグランチ”…。これは気になりますね、こんなサービスを始めてるんですね

本店そばの、よーじやカフェではパフェを食べる人だけではなく、気になるハンバーグランチを食べている人が…

地元客:
私は京都市内ですけどね、とっても美味しいハンバーグです。これはお買い得です

サラダとドリンクがついて1000円とお値打ちだ。
2021年12月に登場したこのランチ、あのロゴマークは見当たらないが、これも、よーじやの地元シフトのひとつだそうで…

よーじやグループ 國枝昂社長:
このコロナになって、ロゴマークにいかに依存していた商売をしていたのかというのが明確になりましたので、美味しいものをしっかりと作れる企業だということを、観光客の方はもちろん、京都の地元の方にも知っていただきたいと

実際、このランチをはじめてから地元客が増え、お昼の時間帯の売上げアップにつながっているとのことだった。

國枝社長:
アフターコロナに向け、今まで通りの商売だけでは完全には戻らないという危機感を持ってます。今後は地元の方にも来て頂ける施策を取っていきたいです

観光客頼みから地元客重視へ…激変する環境に対応を迫られる老舗や有名店。
京都の底力が今、試されている。

(関西テレビ「報道ランナー」2022年3月8日放送)

記事 441 関西テレビ

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