ロシア軍によるウクライナ侵攻から14日目。緊迫した中での避難が続いている。

離ればなれになる家族

ロシア軍が迫りつつある南部オデッサでは、多くの市民が避難用のバスに乗り込んだ。

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その中には幼い子どもの姿もあった。

バスの中から懸命に何かを伝えようとする女の子。

父親は携帯電話を使い、娘を励ます。

涙をこらえ笑顔を見せる女の子。出発のギリギリまで家族との時間を過ごした。

1人で1000キロ離れた地に避難

故郷を追われ、家族と離れ離れにならざるを得ない子どもたち。なかには、たった1人で親元を離れ国境を渡る子どももいる。

ピースサインをするこの11歳の少年は、原発が占拠された街ザポリージャからたった1人で列車に乗り、1000キロも離れたスロバキアに避難してきた。

少年の母親は、看病が必要な家族がいるため、やむを得ず少年を1人で送り出したという。母親は、「私たちのウクライナの子どもたちを守ってください」と涙ながらに訴えた。

子どもと母親のため…広がる避難者支援

国外に逃れた人が200万人を超えるなか、多くの避難者を受け入れている隣国ポーランドのメディカ。ここでも様々な支援が広がっている。

清水康彦記者:
「ベビーミルクトラック」と書かれています。スペインから車ごとやってきたボランティアが、赤ちゃんがいるお母さんにミルクをあげたり、おむつを替えたりするスペースを提供しています。

「ベビーミルクトラック」と書かれたキャンピングカー
「ベビーミルクトラック」と書かれたキャンピングカー

キャンピングカーの中には、首都キエフから逃げてきたという親子がいた。

キャンピングカーの車内
キャンピングカーの車内
キャンピングカーの車内
キャンピングカーの車内

子どもたちは、安心した表情でくつろいでいた。

キャンピングカーの持ち主の男性は、子どもを連れて避難する母親たちを助けるために、遠くスペインから夫婦でやってきたという。

スペインからキャンピングカーで支援に来た男性(右)
スペインからキャンピングカーで支援に来た男性(右)

キャンピングカーという静かな個室は、幼い子どもと母親にとって、つかの間の休息となったようだ。

キャンピングカーを利用する親子
キャンピングカーを利用する親子

追い詰められる市民たち

ロシアが進軍を続けるウクライナ国内では、市民の犠牲者が増え続けている。
ロシア軍に包囲された南部マリウポリでは、食糧不足が深刻化し市民同士が争うことも。激しさを増す戦闘で、多くの市民が追い詰められている。

幼い子どもは、父親との別れに涙。

家族を引き裂き、国際社会に分断を生む闘いはいつ終わるのだろうか……。

(「イット!」3月9日放送分より)