東京都・狛江市にある商店街の店舗の一室に開けられた穴をのぞくと、水道管から水が流れ続けている様子が。60年以上も交換されず老朽化した水道管が、水漏れしたまま放置されているというのです。

「めざまし8」が水問題に詳しい専門家と元東京都の水道局職員を取材すると、「修理費用の負担」をめぐる難しさが見えてきました。

“8カ月以上”…水道水が地下流出

住民およそ4000人が住む大規模団地「都営狛江アパート」。団地の商店街にある雑貨店に入ってみると。

めざまし8ディレクター:
建物の奥から水が流れる音がします

赤さびがびっしりこびり付いて、形が変わってしまった水道管。2021年6月、水道業者が修理を行いましたが、「修理不能」だとして床に穴を開けたまま作業を停止。

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その後も水が8カ月以上も流れ続けているのです。

洋品店「さくら」店主 内海さん:
夜も寝れないみたいな。どうしたらいいんだろう、どうしたらいいんだろうってことで。3~4kgは痩せましたかね。食事もちょっとできなかったりしたので…

現場の状況を見た元東京都の水道局職員は…

東京都水道局で40年勤務 富樫和史さん:
(25m)プールに換算すると恐らく160回ぐらいの水の入れ換え、すなわち160杯分漏水として地下に流れ込んでいるというふうに見るべき

さらに、近隣住民からも不安の声が。

商店街で働く人:衛生環境的に垂れ流しになっているのはよくないと思いますし、飲食なので影響がうちにも出てきてしまうとっていう部分が不安なところはあります。

この現状について水問題に詳しい専門家は。

グローバルウォータ・ジャパン代表 吉村和就さん:8カ月も流れているので必ず水道(みずみち)は空洞になっていまして。砂とか土砂が流れて空洞になっているからいろんな道路がこれから陥没する恐れがあるということ。

では、なぜ水が漏れ続けた状態が8カ月も続いているのでしょうか?

修理費“1000万”の可能性も…負担は「店舗の所有者」

都営狛江アパートでは、ほとんどの住民が賃貸契約ですが、商店街の店舗は「分譲」。

東京都に取材すると「分譲店舗に水を供給している配水管で本来分譲の部分は所有者が直すもの」と、所有者が修理費用を負担しなければならないといいます。一体、費用はいくらかかってしまうのでしょうか。

東京都水道局で40年勤務 富樫和史さん:
新しく直すには、その材料費だけで数百万で、修理費としては1000万ぐらいかかるはず

5年前にこの店舗を購入した内海さん。費用を負担するのは厳しい状況だといいます。

洋品店「さくら」店主 内海さん:
これを商店街に一方的に直せというのはちょっと無理じゃないかなって…

5年前に店舗を購入していて、費用を負担するのは厳しい状況だといいます。

そして、グローバルウォータ・ジャパン代表の吉村さんによると、店舗・住宅を契約する際にはオーナー側へは、水道管の情報公開は義務づけられていないとのこと。その一方で、水道局・自治体指定の水道工事業者に確認することで知ることはできるそうです。

さらに、都は今回の水漏れについて「分譲のため都は金額を負担しない」としています。また、水漏れが長期間続いているので、土地沈没がないかどうか現在地中を調べていますが、結果は出ていません。

今後店舗側と修理方法や、金額はいくらかかるのかなど、提案を検討するとのことです。

(「めざまし8 NewsTag」 3月8日放送)