岸防衛相は1日、日本の領土内にアメリカの核兵器を配備し、共同運用する「核共有」について、「非核三原則を堅持していくことから、認められるものではない」と述べた。
岸防衛相は1日の記者会見で、「核共有」について「政策上の方針として非核三原則を堅持していく考えに変わりはない」と強調した上で、「平素から日本の領土にアメリカの核兵器を置き、有事に自国の戦闘機などに核兵器を搭載・運用可能な体制を保持するという枠組みを想定しているのであれば、非核三原則を堅持していくことから認められるものではない」と述べた。
核共有を巡っては、ロシアによるウクライナ侵攻を踏まえ、安倍元首相が2月27日、フジテレビの番組で、「議論をタブー視してはならない」などと指摘している。岸防衛相は安倍元首相の発言については「政府としてのコメントは差し控える」と述べるに留めた。岸防衛相は安倍元首相の実弟。
また、岸田首相は28日、国会で核共有への認識を問われ、「自国の防衛のために、アメリカの抑止力を共有する枠組みを想定しているものであれば、非核三原則を堅持するという我が国の立場から考えてこれは認められない」と述べている。