福岡県田川市で、当時1歳の三男に必要な治療を受けさせずに死亡させたとして両親が起訴された事件。母親の初公判が開かれ、弁護側は無罪を主張した。
肺炎で死亡…遺体に多数のあざ
愛らしい表情でほほ笑みかける男の子は、亡くなった常慶唯雅ちゃん。

当時1歳だった唯雅ちゃんは2018年12月、田川市の自宅で重度の低栄養状態で死亡し、遺体にはエアガンで撃たれたものとみられる多数のあざが残っていた。

このあざについて、当時4歳だった長男は「パパが撃った」と証言していた。

幼い命はなぜ失われたのか、家庭の中で何があったのか。

その後、両親の常慶雅則被告(26)と藍被告(26)は、唯雅ちゃんを病院に連れていくなどの必要な治療を受けさせずに肺炎で死亡させたとして、保護責任者遺棄致死の罪で起訴された。
「育児スキルが不十分」の主張に検察は
事件から3年余りが経った2月21日、福岡地裁で母親の常慶藍被告の初公判が開かれた。

常慶藍被告:
病院に連れて行かなきゃいけないと知らなかった。骨折していたとかも分かりませんでした

時折、涙をすすりながら、か細い声で起訴内容を否認する藍被告。

そして、弁護側は無罪を主張した。
弁護側の主張:
藍被告には知的障害があり、育児スキルが十分ではなかった。精神年齢が12歳の母親です。故意があったとは認められない

一方、検察側は「唯雅ちゃんは他の1歳児より二回りほど体が小さく、31カ所の骨折が認められた」と指摘。「藍被告は病院に連れて行くべき状況であることを認識していた」と主張した。

父親の雅則被告は、唯雅ちゃんに向けてエアガンを多数回撃ち、全身に全治約3週間のけがをさせたとして傷害の罪にも問われていて、初公判に向けた手続きが進められている。
(テレビ西日本)