いま注目のペットフードがある。その原料はなんと「チョウザメ」。開発に込められた思いに迫った。

「魚全体をいただいてこその、命の取り扱い」

「黒い宝石」と呼ばれ、宮崎でも生産に力をいれているキャビア。その母体であるチョウザメの魚肉を使ったサステナブルな取り組みが宮崎市で始まった。

九州築地(宮崎市)
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100種類以上の魚の卸売りを行っている九州築地。西米良サーモン、しまうら真鯛など、13種類のブランド魚も取り扱っている。そのうちのひとつがチョウザメだ。

永井友梨アナウンサー:
チョウザメということは、これから卵をとってキャビアにするということですか?

九州築地・築地加代子代表取締役:
このチョウザメはオスなんです。このチョウザメのオスはカットして、食用の切り身にしたりとか。今は、ワンちゃんとかネコちゃんのごはんの原料にもなっています

 

築地さんがチョウザメの魚肉に注目したきっかけは、かつてカスピ海周辺で起こったチョウザメの乱獲。キャビアだけを抜き取って捨てられてしまう現実を写真で見て、ショックを受けたという。

 

九州築地・築地加代子代表取締役:
本来だったら副産物が卵、キャビアで。母体というか、お魚全体をいただいてこその命の取り扱いだと思ったのですが、そこがないがしろにされている。やっぱり魚の流通をさせていただいている者として、そこは真剣に向き合って取り組んでいかなければと考えさせられました

チョウザメは淡泊な白身魚で栄養豊富

実際に県内でもオスや採卵後のメスが廃棄されることが多々あり、築地さんはチョウザメの魚肉の販路拡大に取り組んだ。そして2021年、一般向けに切り身とペットフードとして商品化。

商品化されたチョウザメの魚肉

フードロスの削減などSDGsを意識したブランド「森のチョウザメ」は名前の通り、森の中で育てられた。

宮崎・日南市

日南市でチョウザメの養殖をしている濱中章輔さんは、キャビア以外の活用には困ることも多く、築地さんの取り組みに賛同している。

日南チョウザメ養殖場・濱中章輔代表取締役:
養殖業者としては助かります。量も少ないし、結局、一般的に売り出すには供給体制が伴わないと思うんですよ。それでドッグフードなどを作ってもらうのは1番いいなと思います

養殖業者も築地さんの取り組みに賛同

日常ではなかなか食べる機会がないチョウザメ。サメと違って腎臓があり、アンモニアをろ過できるため臭いもない。淡泊な白身魚で、実は栄養の宝庫なのだ。

九州築地・築地加代子代表取締役:
DHA、EPA、魚特有の栄養素はもちろんのことなのですが、カルノシンというアミノ酸、コラーゲンがなんといっても豊富でした。あとはビタミンDとか。調べれば調べるほど、とても素晴らしい栄養素を持ったお魚だということが分かって、ますますチョウザメが大好きになって

豊富な栄養に驚き

アレルギーのあるペットも安心して食べられる

まさに地球に人に、おいしい取り組み。築地さんが愛犬に与えてみたところ…。

チョウザメ100% こだわりのペットフード

九州築地・築地加代子代表取締役:
すごく食いつきが良かったんですよ。喜んで食べている様子を見て、健康にもいいし、こんなに食いつきもいいんだったら、たくさんのワンちゃん、ネコちゃんに食べさせてあげたいと思ったんですね

チョウザメ100%にこだわったペットフードは、2月23日から九州築地のウェブサイトで受付を開始。

九州築地・築地加代子代表取締役:
食を通して、命のありがたさや尊さを伝えていくというのが、私たちのお仕事だと思っています。SDGsの目標にあるように、「つくる責任、つかう責任」(目標12)や「海の豊かさ」(目標14)などを意識して取り組んでいけたらいいなと

 

今回開発されたペットフードは、増粘剤や、その代わりとなるものを一切使っていない。アレルギーのある犬や猫も、安心して食べられるようにという思いで作られている。

築地さん自身も白あえにして食べられているといい、「チョウザメの魅力をもっと伝えていきたい」と話していた。

(テレビ宮崎)

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