天皇陛下はきょう、62歳の誕生日を迎えられました。事前に行われた記者会見で、陛下は、去年12月に長女の愛子さまが成年を迎えられたことを「感慨深く思いました」と振り返られました。

陛下は、去年9月にお代替わりに伴う皇居への引越しを終え、初めて宮殿で会見に臨まれました。その中で、陛下は、去年12月に成年皇族としての行事を終えた愛子さまについて、「いつの間にか二十歳(はたち)という年齢を迎え、大人の仲間入りをすることになったことを感慨深く思いました」「日頃から、多くの人々に助けられ、支えられているということに愛子が感謝の気持ちを持っていることを親としてもうれしく思っています」と父親としての心境を述べられました。

長引くコロナ禍で、この1年、オンラインによる全国各地への訪問を重ねてきた陛下は、生活の困窮や孤立など苦労を重ねる人々を案じ、「今しばらく、誰もがお互いを思いやりながら、痛みを分かち合い、支え合う努力を続けることにより、この厳しい現状を忍耐強く乗り越えていくことができるものと固く信じております」と述べられました。

一方、去年10月に結婚した姪の小室眞子さんについては、「今後、幸せな人生を歩んでいってほしいと思いますが、同時に、この間、多くの方に心配をお掛けすることになったことを心苦しく思っています」との感想を語られました。

また、結婚を巡る週刊誌報道やインターネット上の書き込みについての質問には、憲法が保障する自由な表現は「尊重すべきもの」とした上で、一般論と前置きし、「他者に対して意見を表明する際には、時に、その人の心や立場を傷つけることもあるということを常に心にとどめておく必要がある」と述べられました。

きょうは、昨年に引き続き感染状況を考慮して一般参賀は行われず、皇居での祝賀行事は規模を縮小して開催されます。