記録的な大雪に見舞われている北海道。札幌市内では店舗入り口の屋根が倒壊する事故も起きている。住宅の屋根の上に危険な雪庇(せっぴ)が増えていて、注意が必要だ。

何度も訪れる「冬の嵐」

根元から折れ曲がり倒れてしまったバス停…。

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発達した低気圧の影響で大荒れとなった函館市では、市民が雪かきに追われた。

函館市民:
すごいですね。車出せないです。きょうは出かけない

函館市民:
30センチくらいある。吹きだまりで玄関埋まってるから

2月中旬に北海道南部で大雪となったあと、下旬に入ると札幌市や千歳市を含め記録的な積雪となり、大規模な交通障害が発生している。

記録的な大雪で「建物の倒壊」も続発

この雪で特に心配なのが、屋根に積もった雪だ。

2月13日には、手稲区で銭湯の屋根が崩落。

2月16日には、札幌市近郊の余市町でも落雪事故が起きた。さらに20日からの大雪で札幌市北区の商業施設入り口の屋根も倒壊するなど、被害が相次いでいる。

そこで気になるのが、住宅の屋根に積もった雪だ。中でも気にしているものがある。

札幌市北区の女性:
落としてない。年を取ってくると屋根に上がれないから、近所の人におろしてもらっている

札幌市北区の男性:
息子は、ここと上を合わせたら5、6回になるかな。"雪庇落とし"って、おっかないけど、落とさないと下のガラス壊れたりする

除雪中の男性:
(車を屋根から)1メートル以上、もっと空けないと、屋根から落ちた雪で、車のドアが傷ついたりしますよね

屋根の「雪庇」による被害を心配する住民が続々

いま住民を脅かしているのが、自宅屋根からせりだす大きな「雪庇」だ。雪庇落としの依頼も除雪業者に相次いでいる。

エイト建設・豊島世羽社長:
2021年の3倍くらい増えています。1週間はびっしり(予約が)入っています

この日は、札幌市南区の住宅の雪庇落とし。雪庇は暖房などで「解けて凍って」を繰り返し、固く重くなっていた。

落ちた雪庇は、屋根の上にある時よりもはるかに大きく見え、かなりの衝撃だ。

除雪業者:
雪庇は30センチくらいはある。ドンと落ちたら家の壁が傷つく、穴が空いちゃうので、窓ガラスだと家の中に入ってしまう

"屋根"なのか"雪庇の上"なのか…わかりにくい状況も

ただ、作業は常に危険と隣り合わせ。プロでも危惧するのは、屋根の上のこの状況。白い雪で雪庇と屋根の境界がわかりにくく、判別がつかない。

除雪業者:
ここからこっちは"屋根の上"だから落ちる心配はないんだけど、普通の人だとわからないかもしれない。もっと長い雪庇だと2メートルくらいある所がある

"低い屋根"の雪落ろしも要注意

さらに、市民らに気をつけてほしいと呼び掛けるのが、カーポートや倉庫など比較的、屋根が低い建物の雪落としだ。

除雪業者:
高さが2~3メートルだと油断して落ちる事故が多い。プロに任せた方がいいんじゃないかなと。1人で登る方がいるが、絶対にやらない方がいい

一気に増えた積雪に、週末にかけて今度は暖気が入り込み、札幌市では落雪や雪下ろしの事故が多発する恐れがある。屋根の雪には細心の注意が必要だ。

(北海道文化放送)

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