「古民家移住」で第二の人生 温泉もスキーも…"文化守りたい"移住仲間を増やす活動も【長野発】
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「古民家移住」で第二の人生 温泉もスキーも…"文化守りたい"移住仲間を増やす活動も【長野発】

特集は「古民家移住のすすめ」。古民家に魅せられ、北信濃で第二の人生を送る男性。古民家の魅力を広め、後世に残そうと、「移住仲間」を増やす活動もしている。

改築して移住 古民家は「落ち着く」

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大雪の冬を迎えた長野・中野市。こちらは築230年の古民家だ。住んでいるのは、東京から移ってきた川島直樹さん(69)・幸子さん(66)の夫婦。

東京から移住・川島直樹さん

東京から移住・川島直樹さん:
住んでいて落ち着きます。春夏秋冬、安寧の地を得たみたいな

薪ストーブにあたりながら、のんびりと過ごす時間がたまらないと話す川島さん。ここに暮らして17年になる。

川島さんは東京の大手企業で働いていた。家に帰るのもままならないほどの激務が続き、42歳の時、ついに体調を崩す。

川島直樹さん:
大げさに言うと、“過労死”の一歩手前みたいな感じですかね。病院に行きましたら、即入院でした。「このままだとまずいな」ってことで、東京脱出計画を頭で練りまして

古民家探しや資金繰りなど準備を重ね、一人息子が独立したのを機に51歳で早期退職。

古民家への移住を決めた

次の住まいに選んだのが北信濃の古民家だった。敷地は約500坪。母屋の他に、蔵やガレージもあったことから即決。改築には2年かけた。

川島直樹さん:
一目ぼれみたいな感じですね。古民家に住んで、温泉に入れてスキーができるという場所として、ここが最高だった。

(Q.一番お気に入りのスペースは?)
川島直樹さん:
みんな気に入ってるんですけど。いろり縁がここに置いてあったものですから、それを再生して、そのまま使いました。本当に寒い時、炭でお湯を沸かしているだけで部屋がすごく暖まります

釘隠し

川島直樹さん:
こういう「釘隠し」。これは鶴ですけど、これも昔のまま

土間にある「穴」は…

土間には、妻の幸子さんが「とても重宝している」と話す大きな「穴」がある。

むろ

妻・幸子さん:
「むろ」と言われるもので、主に食品を保存する場所として使われている。昔の人の保存の方法ですね

外は氷点下でも、野菜を「むろ」に入れておけば、凍らせることなく保存できる。

土蔵はジャズ鑑賞のオーディオルームに改装

土蔵は、趣味のジャズ鑑賞のオーディオルームに改築した。

川島直樹さん:
基本的には独り占めですね。落ち着きます

改築しながらも、古さも残す。川島さんは、古民家に住むことは文化を守ることにもつながると考えている。

川島直樹さん:
(古い)住宅を残すと職人を育てることにもなる。職人がいないと、昔のほぞ・ほぞ穴の、釘を使わない住宅をつくることができない。古いからこそ出てくる味わいってものがありますから、その辺を大切にしてもらいたい

「文化を残したい」移住仲間をサポート

川島さんは古民家暮らしを満喫しているだけではない。2008年、NPO法人「北信州・ふるさと古民家を住み継ぐ会」を立ち上げ、移住希望者への情報提供やサポートをしている。家に招いたり相談に乗ったりした人は、これまでに200人に上る。

川島直樹さん:
古民家の良さ、選び方、再生・リノベーションのやり方を、私たちの経験をもとに助言させていただいて、長野県・信州が大好きなので、その中の古民家、住宅の文化を残していきたい

この日も女性が相談に訪れた。

東京から中野市に移住した女性:
(定住先を探して)行ってみると、「帯に短し、たすきに長し」の感じで、なかなかぴったりって物件に出会えてなくて

女性は「まず移住しよう」と、1年半前に東京から中野市に移ってきた。ただ、「これは」という物件に巡り合えず、川島さんに相談に乗ってもらっている。

川島さん夫妻と島田典子さん(右)

東京から中野市に移住した女性:
ただ一人こちらに移ってくるので、相談に乗っていただける方とか、とても心強い。こちらのご夫妻がいらっしゃるなら、なんかやっていけそうかなという気持ちで、特に強い不安ってなかったです

さらに移住してきた人のアフターフォローも…

訪れたのは、7年前に千葉県から移り住んできた夫妻の家。こちらも古民家に憧れて移住してきたと言う。

千葉から中野市に移住した夫婦:
(古民家の暮らしは)懐かしいし、楽しいです。子どものころを思い出します。こんな感じで生活していたなって

開いたままの「ふすま」に気づいた川島さん。

川島直樹さん:
(ふすまは)開けておくんですか?

千葉から中野市に移住した夫婦:
いや、開けとくんじゃなくて、閉まんないんですよ、雪で

雪の重みで立て付け部分がたわみ、閉まらなくなったそうだ。

川島直樹さん:
これ、建具屋さんに上げる機械あるんですよ、道具。あれ持ってきて、ちょっと上げて、ここにろうを塗って、ある程度できるかもしれない。ちょっと相談してみます、今度ね

川島さんは、移住してきた仲間が「ストレスなく生活できるように」と気にかけている。

川島直樹さん:
悩みまでいかないですけど、どうしたらいいのかなって思いながら、日々生活なさっているケースが結構あるんですね。長野っていいところなので、後悔しない、本当に(移住してきて)良かったって思ってもらいたい。(移住してきた人は)同じ古民家を愛する同胞というか、仲間ですよね

人口減少が進み、移住・定住の促進は地域の課題だ。そして今はコロナ禍。「二拠点生活」などに関心が高まっている。
川島さんたちの活動の地域への貢献度は、益々高くなりそうだ。

川島さん夫妻

川島直樹さん:
移住者が増えていただくのはいいことだと思います。移住者も、元々いる方たちも仲良くやっていけるように、違った側面からもうちょっと規模を大きくして、活性化するような活動をしていきたい。地域の方々が幸せに暮らしていけるようになってもらいたいと思います

(長野放送)

長野放送
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