萩生田光一経産相は30日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」(日曜午前7時30分)に出演し、平時の人員や設備で有事に対応する「デュアルユース」について、岸田政権が掲げる「新しい資本主義」の一形態だと説明した。

日本は新型コロナワクチンの国内開発に出遅れ、国内で接種するワクチンを輸入に頼らざるを得ない状況に置かれた。次のパンデミックに備えるために、経済産業省はデュアルユース生産設備の整備支援を進めている。

デュアルユースは、平時には企業ニーズに応じてmRNAがんワクチンや遺伝子治療薬などのバイオ医薬品を製造し、その収益で設備や人材を維持しつつ、感染症流行など有事に国の要請で即座にパンデミックワクチン製造へと切り替える制度。新たな生産ライン導入費用の9割を国が支援する。

萩生田大臣は、コロナ禍で半導体やワクチン、マスク、注射針などが不足したことに触れ、サプライチェーンの「ミッシングパーツ」を官民の協力と責任で埋めていくことは、政権が掲げる「新しい資本主義」の一環だとの認識を強調した。

以下、番組での主なやりとり。

橋下徹氏(コメンテーター、元大阪市長、弁護士):
そもそも日本は雇用市場の流動性がなく、優秀な人材を集めるのに非常に苦労する。一度雇うと、終身雇用的になかなか人材を替えることができない。日本では、いわゆるウーバー・システムをやろうとしても、タクシー業界などからの反対で新しいことができない。先進国でウーバー・システムを導入してないのは日本だけだ。半導体の工場を日本に持ってくるというだけではなく、そのほかのさまざまな競争力を高めるものが合わさらないと、あっという間にその半導体工場も衰退すると思う。

萩生田光一氏(経済産業大臣):
大切な視点だ。このコロナを経験するまで、日本はそれなりのことができる国だとわれわれは思っていた。しかし、国内でワクチンが生産できない、マスクがない、注射針がない、給湯器の半導体やコネクター、ハーネスがないため風呂に入れない国民がいる。先進国として恥ずかしい実態が露呈した。われわれは、コロナ前とコロナ後では価値観を変えていかなければいけない。今、橋下さんが言ったように、人を囲い込むような終身雇用制度のような形ではなく、技術を持つ人たちが流動性を持って仕事を変えていくことも含めて、日本全体で価値観を変えなければいけない。そういう時に来ている。

松山俊行(キャスター・フジテレビ政治部長兼解説委員):
コロナ禍のような緊急時に、民間の工場を(ワクチン製造などに)融通してもらう制度を経産省は進めている。

萩生田経産相:
今回、補正予算で認めてもらったので、今、国内のワクチン開発が急ピッチで進んでいる。仮に許可されても、それを作れるだけの民間工場が国内にはない。では、国営工場を作るかと言ったら、また2年も3年もたってしまう。今、民間の製薬会社にお願いして、工場に空いているスペースがあれば、国が9割を投資するので1ラインを増やしてくれないかとお願いしている。これまでは、国の金で作ったものは、いざという時まではビニールをかけておいてほしいという発想だったが、「デュアルユース」と言って、平時は御社のバイオ薬品を作っていて結構だと。非常事態の時には国の要請に応じて薬やワクチンを作るのを手伝ってほしいという事業を今年からスタートすることにした。

橋下氏:
日本で非常事態に足りないものは政府が出てくるのだと。僕はアメリカの国防生産法のようなものは必要だと思うが、それは経済を成長させる話ではない。パイを、全体をふくらます話ではない。どうもその部分がまだ見えてこないところがある。萩生田さん自身、政府がやらなければいけない役割はこういうことだとはいうが、新しい資本主義について、ストンと腹に落ちているのか。

萩生田経産相:
さきほどデュアルユースの話をした。半導体を横展開していく、人も作っていくということを話した。わたしはこれが今までとは違う新しい資本主義の概念だと思っている。日本は研究開発手前で止めて、そこにはウォールがあって、民の世界に入って行かないというのが今までだった。しかし、一歩踏み込んで、(官も民も)一緒に責任も共有していくということがこれからの新しい資本主義だと思っている。

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