公明党の北側副代表は27日、いわゆる「敵基地攻撃能力」について、言葉の表現がふさわしくないとの考えを示した。
政府は、外交安全保障政策の指針となる「国家安全保障戦略」など「戦略3文書」の改定に向け、26日に有識者からの聴き取りを行い、検討作業を本格化させた。改定をめぐっては岸田首相が、敵基地攻撃能力の保有を念頭に、「あらゆる選択肢を排除しない」としている。
これに関して、北側氏は会見で「敵基地攻撃能力という言葉を良いと思っていない。もっと違った表現をしてもらいたい」と主張した。
北側氏は、ミサイルの発射が基地だけでなく「移動式もあれば潜水艦から撃つ場合もある。ミサイルだけが脅威の時代ではない」と指摘。「敵基地」という表現を「ふさわしくない」とした。さらに、「攻撃」という言葉についても「先制攻撃と誤解される可能性がある」と指摘した。
北側氏はあくまで「言葉の問題だ」として「大事なのは中身だ」と強調。「我が国を守るためにはどうすれば良いのかという議論を、ニュートラルに進めたい」と述べた。
公明党は2021年の総選挙における公約でも、敵基地攻撃能力の保有には触れずに「日米同盟の抑止力・対処を一層向上させる」と訴えるなど、慎重な姿勢を示していて、政府が年内を目指している「国家安全保障戦略」などの改定作業では、政府与党間の調整が重要となりそうだ。