「仕事してはいけませんと言われているのと同じ」旅行業界の悲鳴

オミクロン株の感染拡大で、観光業界はまたも大きな打撃を受けている。
名古屋市港区の旅行代理店「TABiALLららぽーと名古屋みなとアクルス店」では、2月中旬までの予約の半分以上がキャンセルになっていた。

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旅行代理店の担当者:
現在はキャンセル料がかかる直前まで皆さん様子を見られて、キャンセル料がかかるタイミングでキャンセルされるという状況

感染拡大に伴い、広がる「移動の自粛」。2021年、緊急事態宣言が明けてからは回復傾向だった売上も、再びコロナ前の2割にまで落ち込んだ。

また、2021年10月に始まり需要が高まっていた愛知県の県内旅行割引キャンペーンも、1月16日から停止となり、予約は全てキャンセル。

旅行代理店の担当者:
我々、もう仕事をしてはいけませんと言われているのと全く同じになります。感染拡大が収束する以外、旅行業界が元に戻る術はないと思っていますので、感染とともにやっていける社会構造が構築されるのをひたすら待つしかないかなと

まん延防止の適用で再び高まる「自粛ムード」。先週、政府分科会の尾身会長は…

尾身茂会長(1月19日):
オミクロン株の特徴として、ステイホームとか外出自粛とか、店を全部閉めるとかは必要ないという意味で、人数制限。人流抑制ではなく、人数制限というのが一つのキーワードになると思います

移動自粛ではなく、人数制限をと強調。
その後、分科会の提言には「知事の判断により、人流抑制を加味することもあり得る」という文言を加えたが、オミクロン株拡大の中での行動の変化を唱えた。

三重・鳥羽市の老舗旅館・戸田家。

お正月も終わり、ただでさえ客足が減るこの時期、頼みの綱は「団体客」だ。
しかし、企業の社員旅行や、伊勢神宮を参拝をする国会議員の後援会の予約などはほとんどなくなった。

戸田家の社長:
この(テーブルの)真ん中に料理をできるだけ置けるようにしてですね、接遇の回数を少なくして

座席の配置に加え、コース料理の配膳回数を最小限にするなど団体客が安心して利用できるよう工夫をこらしてきた。

戸田家の社長:
毎年この時期にお越しをいただいている団体がありまして、人数をかなり絞って、従来の3分の1ぐらいの人数に絞ってお越しいただいています

三重県が「まん延防止措置」適用を国に要請した1月19日以降は、キャンセルはあるものの、その数は第5波の頃の1割ほど。

団体客の中には、自主的に人数制限しながら旅行を続ける動きもみられるという。

戸田家の社長:
尾身会長の言われるようにですね、交流人口よりもお越しいただく方々の認識でもって、「あ、これぐらいの人数であれば大丈夫だろうな」というようなものをしっかりとお持ちになられているのだろうと

人流抑制から「人数制限」へ。
感染拡大が繰り返される中、コロナと付き合う行動の仕方にも変化が現れている。

(東海テレビ)

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