厳しい寒さが続くなか、気をつけたいのが「ヒートショック」だ。
寒暖差による血圧の変化で命を落とすこともある。特に高齢者が危険。あなたの両親をヒートショックから守るために必要なこととは?

「ひやっとする脱衣所」は要注意
消費者庁によると2020年は年間約5000人が犠牲となり、その9割以上が65歳以上の高齢者。発生件数は1月にピークを迎える。その原因は…。
北海道医療大学 小林正伸 学長補佐:
血圧の変動が起こりやすくなる。寒さで血圧が急激に上がる。暖かくなると急激に下がる

原因は、寒暖差による血圧の乱高下。ヒートショックが特に発生しやすいのは入浴する時だ。
暖かい部屋から寒い脱衣所に行くと血管が収縮し、血圧は急上昇。これにより心筋梗塞や脳梗塞などを発症してしまうという。

「温かい風呂場」も油断大敵 溺死事故のリスク
ただ、脱衣所をクリアしてもまだ安心はできない。熱い風呂に入ると今度は血管が広がり、血圧が急低下。脳への血流が不足すると…。
北海道医療大学 小林正伸 学長補佐:
浴室内で失神してしまって、溺れてしまう
北海道内の浴槽内での溺死事故は、2020年は年間187件。

高齢化の進行とともに大幅に増加している。
札幌市民(30代):
両親が70歳近くなので心配ではある。ちょうど連絡するので、気を付けるよう伝えてみようと思う
神奈川県から帰省(30代):
父と母は60歳を超えているが、風呂を特に気にしたことはなかった
神奈川県から帰省(30代):
誰か一緒にいないと防げないので、こまめに連絡を取る
札幌市民(20代):
祖母が65歳以上。高齢者は寒さや暖かさに、あまり気がつかないことが多い。誰も防ぎようがないので怖い
さらに注意が必要なのは入浴時だけではない。
「夜中のトイレ」に潜む危険
北海道医療大学 小林正伸 学長補佐:
寝ていると布団で温まる。布団から出てトイレに行くと、寒い環境にさらされヒートショックを起こしやすい
では、どうすればヒートショックを防ぐことができるのだろうか?
北海道医療大学 小林正伸 学長補佐:
脱衣場に小さな暖房設備を用意する。熱い風呂に入ると血圧が下がりやすくなるので、ぬるめの風呂に入る。全身入らないで半身浴が良い。トイレでは寝間着の上にガウンなどを羽織って、暖かい格好をする

高齢の両親や祖父母などに注意喚起し、予防策を徹底しよう。
特に危険な高齢者の入浴の際、同居の場合は家族が見守るなどの対策が取れるが、離れて暮らしている場合にはどうしたらいいのだろうか。
北海道医療大学 小林正伸 学長補佐:
独居の人は風呂に入るとき、電話で連絡を先に入れておく。安全を保つことが大切

入浴の前後に連絡を取るなどして安全を確認し、体調の変化などがあったら迅速に対処しよう。
「チェックシート」で危険度の確認を
誰にでも危険性があるが、特にヒートショックに気を付けなければならないのはどのような人なのか。次のチェックシートを確認してほしい。

・65歳以上
・基礎疾患がある(高血圧、糖尿病、動脈硬化など)
・メタボや肥満
・浴室や脱衣所に暖房がない
・熱い風呂(42度以上)が好き
・一番風呂が多い
・長湯(30分以上)が多い
・飲酒後の入浴が多い
この中で4つ以上当てはまる場合は「要注意」。こまめに声をかけあって、ヒートショックを防ぎたい。
(北海道文化放送)