買い物や掃除に料理…地域住民が助け合うサービス コロナ禍のママも支援「子育ての伴走者に」【広島発】
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買い物や掃除に料理…地域住民が助け合うサービス コロナ禍のママも支援「子育ての伴走者に」【広島発】

子育てについて、お父さんお母さんにアンケートを実施した結果、「コロナ禍の子育てを辛いと感じることがある」という人は74%という結果が出た。(2021年末に実施、テレビ新広島の独自調査「テレビファンベース」を使用)

支援を受けられない人が家で孤独になっていないか…。地域で子育てを支援する民間の取り組みを取材した。

持ちつ持たれつ…会員制の互助活動

広島県東広島市の山裾の町。女性が1人暮らしの89歳の高齢者のもとを訪れた。娘さんではないようだ。

彼女たちが向かったのはショッピングセンター。二手に分かれ、買い物をしていく。

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これは「買い物支援サービス」。今回の依頼は1時間のため、効率よく支援する。はたから見ると本当の親子のよう。

買い物を支援をする・國丸尚子さん:
気分も変わるし、役立っているのかなと

サービスを利用する89歳の女性:
「陽だまり」の活動で私の生活が維持できている。これがなかったら、ちょっと生活が成り立たない

買い物が終わると、重い荷物は家まで運ぶ。

――ちょうど1時間でしたね。

買い物を支援をする・國丸尚子さん:
だいたいこれぐらいで終わります

サービスを利用する89歳の女性:
来られるのが楽しみ

買い物を支援をする・國丸尚子さん:
この時間は楽しいですよ。はじめは知らない方でも、何回か会ううちに普通にお友達のようにしゃべったり。世間話もできるし、私にとってもいいです

サービスを通して地域のつながりが生まれている。この2人が利用するのは「陽だまりクラブ」。この地域で約20年続く会員制の助け合い活動だ。

年会費2000円で入会した会員が、手伝ってほしい時は「利用者」に、手伝いたい時は「活動者」となる。利用者はサービスに対し1時間800円を支払い、活動者は600円を受け取って「陽だまり」がそれをつなぐ。

買い物や掃除に子育て支援など、ニーズに応じて活動者が利用者に、利用者が活動者となって地域で助け合う仕組みだ。

運営を行うのはNPO法人「陽だまり」は、約20年前にヘルパーの資格を取った主婦が集まって結成した。

NPO法人陽だまり・市川マヤ代表:
「私たちに何かできることはないかしら」と言って、ヘルパーをするにしてはまだ自信がないし経験がないけど、ちょっとした困りごとのお手伝いだったら自分たちにできるかも、というのがきっかけでした

NPO法人陽だまり・市川マヤ代表:
当時多かったのが、病院の送り迎えでしたね。あとはお掃除とかお料理作りとか、そういう市の制度ではできないようなご依頼が増えてきました。いろいろな行政のサービスもありますが、それで全て賄えるわけでないから。地域のつながりでできることは、お互いに助け合いたいということで。きっと昔は、地域で自然にできていたことだったと思う

子どもの一時預かりや送迎を担う 子育て支援

その後、子どもの居場所づくりの活動も開始。母目線で子育て支援を行ってきた。そこには東広島ならではの事情があった。

NPO法人陽だまり・市川マヤ代表:
急激に開発されて、田んぼがどんどん無くなって宅地化されましたし、マンションが増えました。子育て世代がすごく増えているなという印象もあって。その割には子どもの遊べる場所や居場所になるところがないなと

その時、市川さんたちはある思いを巡らせる。

NPO法人陽だまり・市川マヤ代表:
私たちスタッフの多くが、県外とか東広島市出身でない人たちばかりで。身内の助けが無い中で子育てをしてきた共通体験があったので、きっと今のお母さんやお父さんたちが子育てに苦労しているんじゃないだろうかと。自分たちが苦労したことをさせたくない、自分たちはその方たちの子育ての伴走者になりたいと強く思いました

2013年には「放課後こどもくらぶ」を開園。働いていない家庭の一時預かりや習い事の送迎、臨時休校への対応など、行政の支援にはない取り組みもして支援の取りこぼしを防いでいる。

そんな「陽だまり」が今、新たな取り組みを始めようとしていた。今度はコロナ禍で行き場を無くした乳幼児の親子を対象に、子育て支援の場を作ることにしたのだ。

ママたちの交流も 「地域の居場所」をつくる

場所は誰もが訪れやすいショッピングモールの中。おもちゃや本を取りそろえ親子が遊べる場所にするだけでなく、あえて多世代が立ち寄れるコミュニティーカフェも設けた。

NPO法人陽だまり・市川マヤ代表:
今までの子育て支援施設って、親子と支援者だけで終わっていたと思うんですけど、そうではなくて。やっぱり子どもは、地域の中でいろいろな人と関わりあって育っていくものだと思いますから、そういう場を意図的に作り出したい。いろいろな人たちが住んでいるのが街ですから、そういう本来の姿に戻れるような場にしたいなと思いました

陽だまりクラブの会員の1人である上原さんは、本棚やおもちゃ棚を作って協力した。

陽だまりクラブ会員・上原文夫さん:
退職してね。家におってもすることないし、いろいろな人との携わりやら、会話できたり喜んでもらえるし、ちょっとでも役に立てばという感じ

こうして賛同する仲間の輪は広がっている。

そして、2021年12月上旬、「コミュ二ティカフェふぁんふぁん陽だまり」がオープン。初日から大勢の親子連れが足を運んだ。

利用したママ:
すごい便利で、コロナの感染対策も安心して利用できるなと思いました。こういう場所でしか子どもがいる方と友達になったりできないので、ありがたいです

利用したママ:
家にいるよりもこういうところに来た方が、子どもの刺激にもなっていいかなと思って。コロナ禍もあってかなり引きこもっていることが多いので、私自身の気分転換にもすごくなっている

利用したママ:
子どもの心の発達とかについて手探りでやることが多いので、ちょっとモヤモヤしていることを聞いて、少しずつ解決できたらすごく楽になると思います

スタッフと交流する利用者

地域で子どもを育てる。昔、各地で見られた光景をこの場所で。新しい挑戦が始まった。

NPO法人陽だまり・市川マヤ代表:
こうしてみると前からあったみたいに遊んでくれていて。よかったなと思いました

NPO法人陽だまり・市川マヤ代表:
ひとことで言うと「地域の居場所」です。利用される方もここで働く方も、自分がここにいていいんだな、ここに来たらほっとできるなという、昔は自然にあったであろう地域社会。いろんな世代、背景がある人たちが自然に混ざり合う、そんな居場所にしていきたいと思います

(テレビ新広島)

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