年間約900トンのプラ削減へ

マクドナルドがストローなどを紙製や木製に変更する。

日本マクドナルドは2022年2月から、横浜エリアの30店舗でストローを紙製に、スプーンやフォーク、ナイフ、マドラーを木製に変更すると発表した。

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子どもが利用する「曲がるストロー」については、プラスチック製を続けて提供する。

今後、全国展開を予定していて、全ての店舗で変更した場合、年間約900トンのプラスチックを削減できる見込み。

「ESG投資家」にアピールする狙いも

三田友梨佳キャスター:
エコノミストの崔真淑さんに聞きます。今回の試みをどうご覧になりますか?

エコノミスト・崔真淑さん:
外食産業における環境への配慮といえば、すかいらーくやスターバックスがすでに紙製のストローを導入するなどしています。なので、日本マクドナルドとしてはこうした動きに追随したいという思いもあると思いますが、実はそれだけではない、戦略的な背景もあると思います。

日本マクドナルドは株式上場をしていますが、株式市場の中で今影響力を増しているのが環境、社会、企業統治を重視する企業に投資をする「ESG投資家」なんです。なので、この「ESG投資家」にアピールしたいという狙いもあると思います。

三田キャスター:
ESG投資というのは市場にどれくらい影響力があるものなのでしょうか?

崔真淑さん:
ニューヨーク大学の研究者の発表が投資家に衝撃を与えました。1950年代までの株価の変動は、いわゆる業績だとか会計といった数値で9割は説明できたが、2013年以降は、それで説明できるケースは5割まで減ってしまったというもの。

では何によって株価予測をしたら良いかと言うと、実は、今回のような取り組みなど、社会的配慮、SDGs、ESGの取り組みが重要になってきているということなんです。

つまり、企業としてはSDGsの取り組みは業績に直結しないと切り捨てるのではなく、実は資金調達であるとか、投資家の目線というところでは戦略的に非常に重要になってきています。

三田キャスター:
今回の試みはプラスチックを使用するとき以上にコストがかかりますが、コスト以上の評価を得ることに繋がるのかもしれません。紙もプラスチックも環境負荷については一長一短がありますから、リサイクルを前提とした商品開発というのも重要に感じます。

(「Live News α」12月22日放送分)