年末になると「来年の干支はなんだっけ?」と思い出すことが多い“十二支”。今、“おいしい形”でこれを表現した作品がTwitterに投稿され、「かわいい!」と注目されている。
それが、かまぼこメーカーの株式会社紀文食品が公式Twitterアカウント(@kibun_kitchen)に投稿した、「十二支のかまぼこの飾り切り」だ。
動物の形にただかまぼこを切っているだけではなく、切り込みを入れた上で折り込んだり、ねじったりするなどして、十二支それぞれの特徴をうまく表現している。
2022年の干支となる「とら」は、まず白いかまぼこを左右から中央に向かって、りんごの皮を剥くように切り込みを入れる。そして、この切り込み部分を内側に折り込むことで、頭の上にちょこんとある耳を表現。あとは海苔で目などをデコレーションすれば完成となる。
とらの他にも今年の「うし」など、どれも素敵な形に飾り切りされている。
このかわいらしい十二支のかまぼこには、Twitterでも「めちゃくちゃかわいい!」「かまぼこって何にでもなれるんですね」「みんな喜びそう」と称賛するコメントが多く寄せられ、3万8000のいいねが付く話題となっている(12月27日時点)。
かまぼこメーカーが本気出して十二支のかまぼこの飾り切り作ってみた結果… pic.twitter.com/iyeqJpOZ9l
— 紀文 【公式】🍢 (@kibun_kitchen) December 10, 2021
かまぼこメーカーが本気出して十二支のかまぼこの飾り切り作ってみた結果…
海苔やチーズなどを使ったデコレーションをアレンジすれば、表情が違った自分オリジナルの十二支を作ることもできる。包丁が使えない子どもでも、一緒に作業ができて楽しめるのではないだろうか。
おせちに興味・関心をもってもらいたい
シンプルな形状のかまぼこだが、こんなにも簡単にいろいろな形にできることに驚いた人も多いことだろう。どのような経緯で十二支の飾り切りを生み出したのだろうか?
営業企画部の正月プロモーション担当・根岸恭子さんに聞いてみた。
ーーどういったきっかけで、十二支の飾り切りを作り始めたの?
若年層のおせち離れが進むなか、どうにか若い人たちにおせちに興味・関心をもっていただきたいと常々考えていました。元々おせち料理の講習会などで飾り切りはとても人気があり、そのために有効なコミュニケーションツールと思い、十二支をはじめ様々な飾り切りを開発してきました。
十二支を全部揃えようと思ったのは5~6年前のことです。その時は1年ずつ干支の飾り切りを増やしていく予定でしたが、コロナ禍でおせち講習会などがなくなり、お客様とコミュニケーションをとる機会がなくなってしまいました。そこでお客様に一気に知ってもらいたいと思い、飾り切りを本気で考え、2021年に完成させてTwitterを使って発信しました。
ーーこだわった部分はどこ?
切れ端がでたら、食べればいいんですが…それでも、なるべく切れ端が出ないように(捨てるところがないように)と工夫をしています。
ーー制作過程で一番印象に残っているのは、どの十二支?
「たつ」と「さる」、「へび」です。アイデアがなかなか出ず、そういう意味では印象深いかもしれません。「たつ」はタツノオトシゴで表現して、「さる」は顔だけでは難しかったのでかまぼこを2切れ使い、なんとか表現できました。
初心者でも簡単なのは「うさぎ」と「へび」
ーー十二支の中で一番作るのが難しいのはどれ?
「とり」か「たつ」が難易度が高いかと思いますが、ひとつ選ぶとすれば「とり」ですね。「とり」は、細く均一な太さに蒲鉾の切り込みを入れるところが、慣れていないと難しいと思います。
ーーでは、初心者でも簡単にできるオススメは?
比較的難易度の低いものは「うさぎ」や「へび」だと思います。「うさぎ」の飾り切りは前々からあり、色々なところでご紹介されているように、難易度が低いと思います。「へび」は、細かい作業がなく、工程もシンプルなため、作りやすいと思います。
ーー「うさぎ」だけ、他の十二支とテイストが違うように見えるけれども…。
「うさぎ」の飾り切りは、十二支を揃えようと今回開発する前からあったため、他とテイストがやや異なっています。
ここまでの反響があるとは思わなかった
ーーどのような場面で使ってほしいと思う?
やはりお子さんにとても人気が高いので、お正月に親子で楽しく作っていただければ嬉しいです。また、お正月だけでなく、普段から飾り切りでかまぼこに親しんでもらいたいので、単体であれば、お弁当にもぜひおすすめしたいです。
ーー投稿には大きな反響があるけれども、どう感じている?
正直ここまでの反響があるとは思ってなくて驚いていますが、作ってよかったと思っています。SNSの発信で広くお伝えできてうれしいですが、本当は(直接講習会などで)もっと丁寧に作り方をお伝えできると良いと思っています。
ーー最後に、かまぼこメーカーだから教える“かまぼこのオススメの食べ方”を教えて。
かまぼこにクリームチーズをぬって、お好みのトッピングをする「蒲鉾のカナッペ風のレシピ」が簡単で、かまぼこのおいしさを味わえて、かつ様々な食材との組み合わせも楽しめておすすめです。
それと、公式レシピにはないのですが…“裏メニュー?”というのでしょうか。個人的には、1〜2センチ角に切ったかまぼこをバターやオリーブオイルで両面こんがり焼いて、ブラックペッパーを少々ふって食べるのもおススメですよ。
なお、根岸さんが教えてくれた「蒲鉾のカナッペ風のレシピ」を始め、十二支の飾り切りの作り方は全て紀文食品の公式HPで紹介している。
十二支だけではなく、「ハート」や「ちょうちょ」などたくさんの種類の飾り切りも紹介しているので、子どもの弁当に華やかさを足したい人はのぞいてみるといいかもしれない。
紅白のかまぼこは正月のおせちには欠かせない。この機会に、十二支の飾り切りに挑戦してみるのはどうだろうか?2022年のおせちが一段と華やかになることだろう。