果物やせっけんに模様を彫るタイの伝統文化である「タイカービング」。

編集部では以前、かぼちゃから彫り出した鎖の作品を紹介し、その繊細な仕上がりに驚かされた。この投稿者が、またも驚きの作品を完成させていたのだ。

ブロッコリーで鷹 娘に「すごーい!」言われ喜んでます

それが、こちらのブロッコリーでできた「鷹」。

鋭いくちばしや大きく広げた翼など、まさに凛々しい鷹そのものなのだ。しかし羽や足の先にはブロッコリーのつぼみがそのまま残っており、「野菜?動物?」と首をひねってしまうユニークさもある。

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作者のgaku(@gaku_carving)さんこと岸本岳大さんの本職は、日本料理人。

8年ほど前にタイカービングに惹かれたことから自らも制作を始めたといい、2020年には、かぼちゃで作った鎖を投稿した際には、息子さんとの

息子「なんでそうなる!?」
私 「すごいやろ」
息子「なんか役にたつの?」
私 「たたんな」

というやりとりも話題になっていた。

2020年2月に話題になった「かぼちゃの鎖」
2020年2月に話題になった「かぼちゃの鎖」

今回は娘さんから「すごーい!」との言葉があったそうで、リプライには「これは確かに『すごーい!』と言わしめるだけあります」「娘さんじゃなくても言います。すごーい!すごーい!」「ブロッコリーもこうなるとは予測しなかった展開だったでしょう」と驚きの声が続々寄せられ、26万件を超える「いいね」がついた(11月26日現在)。

この技術と努力の結晶、どんな風に作られたのかも気になるが、やはり気になるのは「その後、どうなったの?」というところ。

以前の取材では、岸本さんは「作品はすべて食べています」「妻が綺麗に彫った物でも容赦なく切り刻み、美味しい料理を作ってくれます」と話していたが、今回もやはりおいしく食べて完結したのだろうか。

岸本さんにこの作品についてお話を伺った。

2株のブロッコリーを組み合わせて作成

――「ブロッコリーで鷹を作る」このアイデアはどこから?

11月13日に石鹸彫刻の作品展があり、鷹を石鹸で作りました。次は野菜で鷹を作りたいと思いながら、八百屋に行き、良い形のブロッコリーがあったので作りました。


――こだわった点はどこ?

ブロッコリーらしさを残す事。翼の先に蕾を残したり、ブロッコリーの茎の分かれで脚や爪を表現した所です。

石鹸で作られた(ソープカービング)鷹の作品
石鹸で作られた(ソープカービング)鷹の作品

アイデアの元は、石鹸を彫って作る「ソープカービング」の作品展に参加した際に作ったという、鷹の作品から。作品展のためにソープカービングを1カ月ほど続けていたため、次は野菜で作品を作りたいというところから、この「ブロッコリーの鷹」が生まれたそうだ。

ちなみに、くりっとした目は、毛糸を編んで作るぬいぐるみ「あみぐるみ」の目に使用されるパーツを使っており、制作時間は3時間ほどだったという。

凛々しい顔をアップで
凛々しい顔をアップで

――ブロッコリーを丸ごとひとつ使っている?どんな風に作った?

今回はブロッコリーを2株使っています。1つを半分に切り、2つの翼を作ります。もう1つで頭、胴体、脚を作り、翼をつけて完成です。


――息子さんとの「なんか役に立つの?」「たたんな」というやりとりもユニークだったが、娘さんの反応に感想は?

娘は普段見慣れているので、リアクションは薄いですが、今回の鷹は目をキラキラさせながら、良いリアクションで嬉しかったです。

その他の作品たち ブロッコリーを使った龍も…
その他の作品たち ブロッコリーを使った龍も…
繊細な模様のスイカや、コミカルなナスのペンギン
繊細な模様のスイカや、コミカルなナスのペンギン

――ちなみに、この鷹は今どうなっている?

すでにポトフと鍋にして食べました。

お鍋の中には足らしきパーツが…
お鍋の中には足らしきパーツが…
もしかして、この部分?
もしかして、この部分?

そしてやはり今回も、作品はポトフとお鍋に入れて丸ごとおいしく食べたそう。

岸本さんいわく「バズるとは思っていなかった」そうでポトフの写真は残っていないとのことだった。ただ「脚先が残っていたので鍋にいれました」と、おいしそうな具材になってしまったが元は鷹だったことがばっちり分かる、なんとも味のある写真を見せていただいた。

ちなみに娘さんから見たお父さんの“尊敬ポイント”は「フォロワーさんが多い所」だそうで、岸本さん自身もこの“バズ”について「フォローして頂けると有難いです」と話していた。

繊細なカービングの技術に驚かされたあと、おいしく食べられてしまった姿にまた驚き…。新たな作品を見たいという人は、ぜひ次の投稿を楽しみにしてほしい。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。