発想のきっかけは防災対策…自慢のソウルフードを非常食に
愛知・安城市のご当地ソウルフード「北京飯」が、缶詰めになった。夢は世界進出だ。

12月初め、愛知県の大村知事のもとを、段ボール箱を抱えた1人の男性が訪れた。
杉浦充俊さん:
北京飯を缶詰めにして、ご飯も入ってるので…
大村愛知県知事:
ごはんも入ってるの!?
手渡したのは「北京飯缶(1個540円)」。

北京飯といえば、ごはんに卵と豚のから揚げがのった、愛知・安城市の中国料理店「北京本店」の看板メニュー。男性は「北京本店」の3代目・店主杉浦充俊さんだ。

杉浦充俊さん:
北京飯は北京本店まで来ていただかないと食べられないので
リポート:
これはおいしい!ふわふわの卵とさくさくの豚のから揚げ、あと絶品のたれが口の中でよく混ざって本当においしいです
そんな安城市民の心をわしづかみにするソウルフードが缶詰になったわけは…

杉浦充俊さん:
お家でも食べたくなった時にすぐ食べられる、そんな商品ができないかと思って。缶だったらいけるんじゃないかと。災害とかも日本は多い国で、缶詰めであれば保存もきく。北京飯缶も3年常温で保存がきくので
全国の人に自慢の北京飯を食べてほしい。

最近の防災への関心の高さから開発を決意。
しかし、その道のりは簡単なものではなかった。
ポイントは2つ。お米は栄養価の高い玄米を使用。

甘辛のしょうゆベースのタレで炊くことで、味をしみこませた。

もうひとつのポイントは…
平山商会の担当者:
お肉が薄いと食感がなくなるので、ブロックのダイスにすることでお肉の味と食感を出した
一番のこだわりである「豚のから揚げ」は、薄切りからブロック肉に変えて食感を維持した。

これを密閉して高温で数十分殺菌の熱処理をすれば、玄米がちょうどよい硬さに炊けて完成。米の硬さや肉の食感を再現するため、完成まで1年半かかった自慢の缶詰だ。

ちなみに、大村知事の事務所と北京本店はわずか150メートル。
大村愛知県知事:
よく行かせていただきますが、最近昼時は入れない。並んどるでな
大村知事にとっても「地元の味」。その缶詰の味は…

大村愛知県知事:
味は確かに同じ味だね
と、知事も太鼓判。

杉浦充俊さん:
北京飯の味も、自信もってお届けできると思います。安城から全国へ、はたまた世界へ行けるような缶詰になってほしい
(東海テレビ)